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傾国
「傾国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
傾国の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
で遊ぶんじゃねえんです」 「そんなら、なにもしり込みするこたあねえんじゃねえか。
傾国の美人ってしろものをおめえにもとりもってやるから、しっぽを振ってついてきなよ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のあり、曰く、桐楊の桐は男児に較べ、楊は令嬢たちに擬えたのであろう。漢皇|重色思
傾国……楊家女有、と同一字だ。道理こそ皆美人であると、それあるいは然らむ。が男の....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
少佐。」 甘い抑揚《よくよう》をつけて言った。嫣然《えんぜん》一笑、東洋でいう
傾国《けいこく》の笑いというやつ。そいつをやりながら、触れなば折れんず風情《ふぜ....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
輝き、それだけでも私は美人の資格は立派にあるといいたい。脂粉に彩《いろ》どられた
傾国《けいこく》の美こそなかったかも知れないが、美の価値を、自分の目の好悪《こう....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
すね。どんな風に綺麗なんでしょう。」 どんな風にと、その説明はつけにくい。 「
傾国の美人てのも、いるそうですね。」 「
傾国の美人……。」 繰り返して、杯を挙....
「魔像」より 著者:林不忘
ところへ、何を思ったか、急にニッコリ白い歯並《はなみ》を覗かせたのだから、女なら
傾国《けいこく》の一笑というやつ――壁辰、訳もなく釣り込まれて、こっちも、にっと....
「三国志」より 著者:吉川英治
はない。すこしお訊ねしたいことがある」 曹操は、恍惚と、見まもりながら云った。
傾国の美とは、こういう風情をいうのではあるまいか。――夫人は、うつ向いたまま歩を....
「三国志」より 著者:吉川英治
いう野心です。聞説、喬家の二名花とは、姉を大喬といい、妹を小喬と呼ぶそうで、その
傾国の美は、夙にわれわれも耳にしているものです。――思うに、古来英雄の半面には、....
「三国志」より 著者:吉川英治
大蜀の軍備はただその目的のために邁進して来たものといっても過言ではない。朕、いま
傾国の兵をあげ、昔日の盟を果たさんことを、あえて関羽の霊に告ぐ。汝ら、それを努め....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
れ、生母はその寵姫である。彼の子弟には、貴公子風の文化人が多い。九人の子女はみな
傾国の美や佳人の園生であったという。 ただ、藤原氏だの、後の源氏に憎まれたこと....