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僧俗
「僧俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
僧俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
が隙なく建て続いて、湯屋では寺の僧が日毎に湯を沸かしている。従ってここへ出入する
僧俗の類《たぐい》も甚だ多い。内供はこう云う人々の顔を根気よく物色した。一人でも....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
るのでございますから、御簾《みす》の内も御簾の外も、水を打ったように声を呑んで、
僧俗ともに誰一人、進んであの沙門の法力を試みようと致すものは見えません。所詮は長....
「竜」より 著者:芥川竜之介
ょう。ではどうしてそんな入らざる真似を致したかと申しますと、恵印は日頃から奈良の
僧俗が何かにつけて自分の鼻を笑いものにするのが不平なので、今度こそこの鼻蔵人がう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
来した年より十三年前)五月十一日、飾磨《しかま》郡増位山随願寺の会式《えしき》で
僧俗集まり宴|酣《たけなわ》なる時、薬師寺の児《ちご》小弁は手振《てぶり》に、桜....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
山の神が恐《こわ》くて差し控える。 コンウェイはビナレスの猴堂に異類多数の猴が
僧俗に供養さるるを観た最初の感想を述べて、この辺で行わるる軌儀は上世の猴が奉じた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
物だ。その値遇《ちぐう》の縁で出家専修した者極めて多ければ、当時エジプトの人数が
僧俗等しといわれた。そのコンスタンチン大帝の厚聘《こうへい》を却《しりぞ》けてロ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
さにしか基いていない筈の本願寺の内局が、大谷家の血統にぞくする法主に就いて、その
僧俗を是非するなどは、全く滑稽な矛盾だろうか。 こういう矛盾は今日の社会では容....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
らず、母堂に看《みと》られてこの世を去った。 女性によって開拓された宗教――売
僧俗僧《まいすぞくそう》の多くが仮面をかぶりきれなかった時において、女流に一派の....
「死者の書」より 著者:折口信夫
爽やかな朝である。高原の寺は、人の住む所から、自ら遠く建って居た。唯|凡、百人の
僧俗が、寺中に起き伏して居る。其すら、引き続く供養|饗宴の疲れで、今日はまだ、遅....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
本も時代によって、さまざまな風俗を成す。前述したように本はいつもその時代の趣味好尚を映じ出している。即ち、
僧俗時代、貴族時代、そうした時代の本はやはりそうした時代を明示する姿を以て遺され....
「親鸞」より 著者:三木清
名字の比丘」であり、本質的には在俗者と同じでなければならぬ。かくして浄土門の教は
僧俗一致の教法である。この教法の前においては僧侶と在俗者とは本来平等である。単に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
と二人ずつで出て行くです。また何かむずかしい裁判事件でも起りますと、地方へ指して
僧俗組合って二人あるいは四人ずつ派遣されることもある。それは向うで取調べをして裁....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ほか礼拝の節、もっぱら説教をつとむること。 第五点、両宗ともに世間俗門宗にして、
僧俗関係親近なること。 ドイツ中の新教信者は、これをその人口に比例するときは、....
「法然行伝」より 著者:中里介山
は殊に比類のないものであった。 二月十九日に法住寺殿の御忌日に御仏事があって、
僧俗座を分けて立ち並ぶうちに法然も招請されたが、この時の席次に於ても慈鎮和尚《じ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
方凡例録』に、 沙弥・鉦打類取扱方の事 沙弥・鉦打の類、宗旨は多分時宗にて、
僧俗共本寺有之、其身も百姓より宜き者の様に心得。 とある。きわめて徹底しない判....