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「僧房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僧房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
ヌスの像の下に山葡萄《やまぶどう》が一ふさ献じてあるのです。僕はなんの装飾もない僧房を想像していただけにちょっと意外に感じました。すると長老は僕の容子《ようす》....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
めえられぬ人の世の恋を追う男があって、男禁制の聖禁を犯そうと心がけたら、必ずしも僧房に忍び入るのが困難ではなく、反対にまた院内の尼僧たちの中において、道ならねど....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でした。三橋《みはし》のところで乗り物をすてながら、さっさと伽藍《がらん》わきの僧房へやって行くと、案内の請い方というものがまたなんともかともいいようもなく古風....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
でした。無念でした。女がつつうと横にそれると、西谷檀林の手前にあった末院行学院の僧房へさッと身をひるがえしながら逃げ入ったのです。いや、そればかりではない。偶然....
狂乱」より 著者:近松秋江
ながら早くから寝に就いた。七月の初めからほとんど三カ月に近い、高い山の上の枯淡な僧房生活の、心と体との飢渇から、すっかり蘇生したような気持になった。外では夜に入....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
火箭が飛び出して、むこう側の景徳廟の正殿の柱に立った。それから火を発して、殿宇も僧房もほとんど焼け尽くした。 九尾蛇 茅八という者が若いときに紙を売って....
死者の書」より 著者:折口信夫
る。 しずかに しずかに雲はおりて来る。万法蔵院の香殿・講堂・塔婆・楼閣・山門・僧房・庫裡、悉く金に、朱に、青に、昼より著く見え、自ら光りを発して居た。 庭の砂....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
を与えて、彼らを退出させるのであった。最近では、病気の発作のため、ときとすると、僧房を出るのもむずかしいほど衰弱してしまうことがあったので、巡礼者たちはよく数日....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
すべて美しいものから眼をそむけること、人間の眼を抜き取ること、一生のあいだ教会や僧房の冷たい日影に身をかがめていること、死人の家以外を訪問してはならないこと、見....
答案落第」より 著者:太宰治
いるが。 ヴァニティ。この強靭をあなどってはいけない。虚栄は、どこにでもいる。僧房の中にもいる。牢獄の中にもいる。墓地にさえ在る。これを、見て見ぬふりをしては....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
た。 グンパールは黄教ラマの僧院で、丘陵の思い思いのところに石灰を塗った方形の僧房が建っていた。石門の前の草原に、黄の衣を着たラマ僧が五人ばかり、しゃがむとも....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
て、それに、むっちりとした肉おきばかりを考えて描いているような気がして、むやみに僧房式な近代感を受けて為方がなかった。其に、此はよいことともわるいこととも、私な....
海豹」より 著者:マクラウドフィオナ
のうつくしい潮の香がコラムの鼻に入った、彼は体じゅうの血管に波が走るのを聞いた。僧房の入口で彼は振りむいて、兄弟たちに内に入れと命じた「平和なんじらと共にあれ」....
」より 著者:マクラウドフィオナ
しかし、その後、彼はたびたび夢を見るようになった。 そういう夢の日の或る日彼は僧房にちかい砂丘の暑い草の上に背をのせて横たわっていた。陽の照りで島は金いろの靄....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
を受け、日限を定めてのみ許されているにすぎなかった。男女間の関係はことに厳重で、僧房に婦女を停め、尼房に男夫を停めることもできなかった。この規定の如きは比較的厳....