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「僧服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僧服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
の結果、犯人として秀蓮尼だということが分り、それがため追跡がいよいよ急になった。僧服を捨て、僕が残していった学生服に着かえ危地を脱走した。そして飛行機に乗って、....
道標」より 著者:宮本百合子
ていない四人の男女のいる礼拝堂の天井に響きわたった。 一時間ばかりたったとき、僧服のような黒いなりの男が素焼の骨壺に納められた子供の骨を捧げて現れた。磯崎がそ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ち故郷を懐《おも》うて死ぬべく覚えたので、王宮を脱走してアラビヤに帰り、名を変じ僧服し徒歩|艱苦《かんく》してカウカバン市に近づき還った。ここを去って久しくなる....
十二支考」より 著者:南方熊楠
から承った。さればこの時諸大衆今日この山頂に人頭の小虫|醜陋《しゅうろう》なるが僧服を著て世尊を礼拝するは珍なものだと嘲ると、弥勒世尊一同に向い、孔雀好色あれど....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いなかったので、どこへでも自由に、幾日もぶっ通しに出かけてもかまわなかった。彼が僧服をつけていたのは、修道院の中で他の人ときわだたないように、みずからすすんで、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《かんもく》、閉鎖されたる頭脳、永久誓願の牢獄に入れられたる多くの不幸なる知力、僧服の着用、魂の生きながらの埋没。かくて、国民的衰退に加うるに個人の苦悩。それを....
グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
その男と云うのは、外でもない、この船の牧師さ。――牧師、その人なんだよ。奴は黒い僧服をまとって、堂々とこの船に乗りこんだ。奴はポケットの中に、この船の大帆柱から....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
父さんを今でもアリアリと覚えていますよ。身長も高いが、ふとってもいましたね。黒い僧服をきて、僧院の階段を走り降りて現れてきましたね。そのときだけは元気で無邪気で....
日記」より 著者:宮本百合子
の精神に対する外部的影響の一つは服装である。人々は良くこれを知って居る。修道院の僧服も軍隊の軍服もこれから来たものだ」と云うのを見る。面白いことだと思う。吾々が....
日記」より 著者:宮本百合子
けで浄げに、尊く見えるかつくづく感じた。せまい俗家の区切りかたや、模様ある襖は、僧服の濃い色彩とひどく相殺する結果になり、ほの暗く、大きく、宏い寺院の本堂で見る....
バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
うな顔で『ウオーキン』とも一度いって、ウオーキンの意味を説明する。 夫人は黒い僧服のようなものを着て、白い首飾りをかけている。それが何だか物すごい感じを与える....
人狼」より 著者:岡本綺堂
袂に入れる。そのあいだに、下のかたよりホルトガルの宣教師モウロ、四十余歳、旧教の僧服をつけ、頚に十字架かけて出で来り、柳の木かげに身をよせて窺いいると、おいよは....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るです。 普通の僧侶は筒袖の着物を着ることを許されないけれども、警護僧は筒袖の僧服を着け、長い棒を持って居るです。門内に入りますと十間四面程の敷石詰めの庭があ....
西航日録」より 著者:井上円了
なはだしからざるも、なお不潔の点につきては、余もやや辟易せり。河口氏はチベットの僧服を着し、純然たるチベットラマの風あり。同国人のこの地にあるもの、みな氏を見て....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
は、尼僧の姿を見ると橇を下りて、丁寧に挨拶をした。二人とも、彼女の蒼白い顔や黒い僧服を見てひどく感動していた。自分たちのことを忘れずにいて、わざわざ挨拶に出て来....