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「僧衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僧衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おしの」より 著者:芥川竜之介
ひげ》の深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あびと」と称《とな》える僧衣らしい。そう云えば「こんたつ」と称《とな》える念珠《ねんじゅ》も手頸《てくび....
映画時代」より 著者:寺田寅彦
をしているうちに、ひょっくり鳥羽僧正《とばそうじょう》に逢着《ほうちゃく》した。僧衣にたすき掛けの僧|覚猷《かくゆう》が映画監督となってメガフォンを持って懸命に....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
代役ながら、治外の権力ともいうべき俗人不犯の寺格を預かっている寺僧でした。これが僧衣の陰に隠して、飽くまでも匿まおうと言うなら、まことに篠崎流の軍学以外にひと泡....
田舎教師」より 著者:田山花袋
引っ張って、どこへかつれて行こうとする。洋服の原があとから押す。和尚さんはいつか僧衣を着せられている。「まア、いいよ、いいよ、君らがそんなに望むなら、お経ぐらい....
反逆」より 著者:矢田津世子
をして喉を慣らしていた牧師がおもむろに腰を上げて祭壇に登った。彼の纏っている白い僧衣は、背景の黒い幕と崇高な対照をして、顎迄ある高いカラーや古風な爪先きだけを包....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
台があり、蒼い顔をした貴人が今や息を引取ろうとしていると、その周囲にきらびやかな僧衣に身を固めた青鬼赤鬼およそ十四五匹が、臨終の貴人に対して合掌しているという群....
ツワイク「三人の巨匠」」より 著者:宮本百合子
ではなく、信仰をもって理解しなければならぬ」p.281 ○狂妄な帝国主義は驕傲を僧衣に包んで「神の御意なり」と叫ぶのである。 ○先ずもってわれわれヨーロッパの世....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
む。 僧徒らの衣形は、誤ち求めて山に入りたる若僧を除き、ことごとく蓬髪裸足にして僧衣|汚れ黒みたれど、醜汚の観を与うるに遠きを分とす。 全曲にわたり動白はすべて....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
て意のままにしていたもとの夫の修道士のことをいつも思い出していた。彼女はまったく僧衣に押しつぶされた蕁麻《いらぐさ》だった。王政復古の時に及んで、彼女は信者とな....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
意)と言われていた、それは人が石を切る前に神は花を咲かせられたからである。 九僧衣に包まれし一世紀 われわれはプティー・ピクプュスの古《いにしえ》のありさ....
雪の宿り」より 著者:神西清
だことで御座いましょう。渦を巻く猛火のなかを、白い被衣をかずかれた姫君が、鼠色の僧衣の逞しいお肩に乗せられて、御泉水のめぐりをめぐって彼方の闇にみるみるうちに消....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
、ずいぶんと早くからその技に熟していたようである。のちにはアングロサクソン寺院の僧衣が見事に繍されたとも伝わっている。「マティルド女王の壁掛」とは、よく耳にする....
ろくろ首」より 著者:小泉八雲
した。そして剃髪して僧となり――囘龍と名のって――諸国行脚に出かけた。 しかし僧衣の下には、いつでも囘龍の武士の魂が生きていた。昔、危険をものともしなかったと....
すみだ川」より 著者:永井荷風
と思って一心《いっしん》に橋向うを眺めた。 最初に橋を渡って来た人影は黒い麻の僧衣《ころも》を着た坊主であった。つづいて尻端折《しりはしおり》の股引《ももひき....
」より 著者:吉川英治
て来た百人程の者が、協力して、第二の山崩れを防いだ。大溜池の決潰も事なく済んだ。僧衣の人足と、鞭を持った奉行との必死は、翌日の仕事からまるで血みどろになった。二....