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「僭称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

僭称の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ので、それ以上のは有名無実の贋腰弁である。甚だしきに到っては奏任以上までが腰弁を僭称しているが、その実《じつ》弁当は洋食や丼にするという有様で、正に「腰弁精神」....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
る全智全能の神である』 ……と……。 脳髄はこうして宇宙間最大最高級の権威を僭称しつつ、人体の最高所に鎮座して、全身の各器官を奴僕の如く駆使している。最上等....
探偵小説の正体」より 著者:夢野久作
非ず。エロ小説、グロ小説、ナンセンス小説と名乗って、この魅力ある「探偵」の二字を僭称する事を遠慮すべきもの也……とか何とか大見得を切られても、大きな声で返事する....
十二支考」より 著者:南方熊楠
太陽』二七ノ三) 4 前項に書いたほかにまだまだ弥勒《みろく》と僭称した乱賊の記事がある。『松屋筆記』六五に『二十二史|箚記《さっき》』三十巻、....
東京要塞」より 著者:海野十三
ぼるのを見上げて、不審の面持だった。―― 今でも帆村荘六は、あの“東京要塞”と僭称していた某大国の秘密砲台の位置発見に大功をたてた自記地震計のドラムを硝子張り....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
之は反ノルムに対立しているのである、そしてこの反ノルム自身が皮肉にもノルムの名を僭称しているのである。常識のメフィスト自身が、そこでこのカイザーとゲーゲン・カイ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
あると聞く。仄に聞くにつけても、それらの面々の面目に係ると悪い。むかし、八里半、僭称して十三里、一名、書生の羊羹、ともいった、ポテト……どうも脇息向の饌でない。....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
。ところが五名の女給は一丸となり、店側の忠実なる鬼の相を露呈して、自ら特権階級を僭称する倉田を軽蔑してはゞからぬ如くである。 オヤヂが金々々と凝りかたまつてゐ....
革命の研究」より 著者:大杉栄
が先見しなかったことは存在の理由がないことになるのだ。 これが革命家という名を僭称している百人中九十九人の夢なのだ。 さればもし諸君が、いわゆる革命的だとい....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。 己に刃向かって起って、帝だの、この国の主だの、 大元帥だの、百官の司だのと、僭称している非類は、 この手一つで死の国へ衝き落さんではならぬ。 ファウ....
三国志」より 著者:吉川英治
吏をよべ」と、他の吏人を呼びつけ、 「尉玄徳は、不埓な漢である。天子の宗族などと僭称しておるのみか、ここの百姓どもから、いろいろと怨嗟の声を耳にする。すぐ帝へ奏....
三国志」より 著者:吉川英治
のむすめを皇后とし、後宮の美姫数百人にはみな綺羅錦繍を粧わせ、嫡子をたてて東宮と僭称した。 慢心した暴王に対しては、命がけで正論を吐いて諫める臣下もなかったが....
三国志」より 著者:吉川英治
辺が袁術と婚姻を結ぶと聞いて、攻め下ってきたまでである。なぜならば、袁術は皇帝を僭称して、天下をみだす叛逆の賊である。かくれもない天下の敵である」 「…………」....
三国志」より 著者:吉川英治
す。いかにわれわれが歯がみしてもこれに対しては」 「あははは」と、一笑して「――僭称の賊、欺瞞の悪兵。故にこそ、大いに逆賊操を討つべきではないか。彼が騙りの名分....
三国志」より 著者:吉川英治
たのは前に掲げた鮑龍、陳応の二将であった。 「敵の劉玄徳は、天子の皇叔なりなどと僭称していますが、事実は辺土の小民、その生い立ちは履売りの子に過ぎません。――関....