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僻地
「僻地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
僻地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
い事務員たちのダンスの相手をしてやっていたが、疲れた様子もなく、まだ興を逐うこの
僻地に仮住する青年たちのために、有り合せの毀れギターをどうやら調整して、低音で長....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、法を枉げて彼を免すことを好まないので、ひそかにその亀を彼にあたえた。 「南方の
僻地には大蛇が多い。常にこの亀をそばに置いて、害を防げ」 宦者はありがたく頂戴....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
怖といってはほとんどありません――そのかわり、山の麓の隅の隅が、山扁の嵎といった
僻地で……以前は、里からではようやく木樵が通いますくらい、まるで人跡絶えたといっ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。 瞬間の幻視である。手提はすぐ分った。が、この荒寺、思いのほか、陰寂な無人の
僻地で――頼もう――を我が耳で聞返したほどであったから。…… 私の隣の松さんは、....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
今日では五十|燭光でもまだ暗いというような時代になって、ランプさえもよほどの山間
僻地でも全く見られない、時世の飛躍的な推移は驚愕の外はない。瓦斯の入来したのは明....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
れるように、村の娘達の後のためを考えて、そなたが先ず魁を見せたらばな」 山間|
僻地に多年潜む排外思想の結果、若き女の血に燃えるのを、脅威を以て抑圧していた、そ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のだ。地方色ゆたかな物語や迷信は、こういった辺鄙な、長いあいだ人が住みついていた
僻地でもっとも盛んになるのだが、アメリカのたいていの町や村を形づくっているのは移....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
再読三読、なお飽くことを知らず。この書は、陸中国|上閉伊郡に遠野郷とて、山深き幽
僻地の、伝説異聞怪談を、土地の人の談話したるを、氏が筆にて活かし描けるなり。あえ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
答を得るなり。 また、千葉県香取郡飯塚村、寺本氏の報知によるに曰く、 近来、
僻地においてコックリと称し、細き竹三本を一尺二寸ずつにきり、中央より少し下の方を....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
であろうし、または来舶の支那人から直接に聞かされたのもあろうが、交通の不便な山村
僻地にまでも支那の怪談が行き渡って、そこに種々の伝説を作り出したということは、今....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
の公達や殿原は其当時に於る最高等の文明人種であったのだ。随って彼等が如何なる山村
僻地に流落しても、或程度までは自己の有する文明を維持して行く力を有っていたから、....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
屋の話や、今も出雲の北海岸の漁民を俗に夜叉と呼んでいることからでも察せられ、今も
僻地の住民の中には、一村こぞって他と縁組せぬという村落が所々にあることによっても....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
これを妻妾とし、もしくは侍女として使役せんが為である。我が国においても今なお往々
僻地に存する所謂掠奪結婚の遺風の如きは、かつてかかる事の我が国に行われた証拠と解....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
かの事情でその村に住みかねて山間に幽棲の地を求めて、山村を作ったのもあろう。山間
僻地の村落には、よく平家の落人伝説を有したものがある。無論そのすべてが信ずべき限....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
浮浪民となったものは、はじめから遊牧的の浮浪生活をつづけ、あるいはその居所が山間
僻地にあって、国家の監督の目から漏れ、公民の戸籍に編入せられるの機会を得なかった....