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僻村
「僻村〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
僻村の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
には今「遊民」という不思議な階級が漸次《ぜんじ》その数を増しつつある。今やどんな
僻村《へきそん》へ行っても三人か五人の中学卒業者がいる。そうして彼らの事業は、じ....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
ば、山陰道《さんいんどう》の山中で、冷酷な自然と、惨忍なる搾取との迫害から、その
僻村《へきそん》全体が寒さのために凍死し、飢餓のために餓死しなければならないので....
「苦力頭の表情」より 著者:里村欣三
愛だ! 俺もついにそれなしには生きていられない寂しさを思う。 俺の母親は中国の
僻村で地蔵堂の縁の下に死んだが、父親はまだ何処かに生きて居るべき筈だ。おまき婆が....
「観画談」より 著者:幸田露伴
或|山間、何でも南部領とかで、大街道とは二日路も三日路も横へ折れ込んだ途方もない
僻村の或寺を心ざして、その男は鶴の如くに※せた病躯を運んだ。それは旅中で知合にな....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
菊代 義雄の妹、二十三歳。 その他 学童数名。 所。 津軽半島、海岸の
僻村。 時。 昭和二十一年、四月。 第一場 舞台は、村の国民学校の一....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
究と、地鎮祭をかねて、飛騨、三河、信濃の国々の谷谷谷深く相|交叉する、山また山の
僻村から招いた、山民一行の祭に参じた。桜、菖蒲、山の雉子の花踊。赤鬼、青鬼、白鬼....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ったら、雲のゆききのゆかりもあろう。ここは、関屋を五里六里、山路、野道を分入った
僻村であるものを。―― ――実は、銑吉は、これより先き、麓の西明寺の庫裡の棚で....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ないと、どこで何を騒いでるんだか一向わからないから――そこで、なにを隠そう、この
僻村こそは、和蘭ユウトラクト在なになに郡|大字何とかドュウルンの部落である。 ....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
た。 僕は柿本人麿の歿処を考証するために石見国を旅行したことがあったが、石見の
僻村旅館でも蚤のいない旅館がいくらもあるという状態にあり、僕は一般衛生思想の発達....
「広場のべンチ」より 著者:豊島与志雄
かけた、ところが、行ってみると、その部落には人影一つなかった。その代り、十数戸の
僻村にして意外にも、物資が豊富にあった。甕の中、桶の中、床下など、穀類や脂肪類や....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
え」 町「なるたけ人の目に掛らんのが宜しいのでございます」 田舎|殊に山間の
僻村では別に手習師匠もござりませんので、寺の住持が片手間に教えて居ります。その住....
「牛」より 著者:坂口安吾
誰かとが争っているのだ。さすれば、そこに考えられることは一ツしかない。この山奥の
僻村でも、ちかごろ暴行沙汰が絶えなかった。 光也は思わずカッとして、ズカズカと....
「謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
りからみると非常に涼しいに違いありません、この点は十分恵まれた土地です。もっとも
僻村なのですから格別に美味しいものとか、贅沢なものとては一つもありませんが、普通....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
校がえりの子どもが見たりとあるにて、目のあたりお犬の経立ちに逢う心地す。荒涼たる
僻村の風情も文字の外にあらわれたり。岩のとげとげしきも見ゆ。雨も降るごとし。小児....
「鬼無菊」より 著者:北村四海
信州の戸隠山麓なる鬼無村という
僻村は、避暑地として中々佳い土地である、自分は数年|前の夏のこと脚気の為め、保養....