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儀容
「儀容〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
儀容の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
士山で、高さにおいては言うまでもないこと、その秀麗の山貌と、優美の色彩と、典雅の
儀容とにおいて、群山から超絶している、むしろ統御の別席をしつらえるために、ことさ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。まるで鑿ででも仕上げたように、繊細をきわめた顔面の諸線は、容易に求められない
儀容と云うのほかはなかった。それが時折引き締ると、そこから、この老婦人の、動じな....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
が見知らぬ世間の女性を心ひそかに物色してもいた。女性の前に今まで膝も崩さなかった
儀容と隔心とが、自然に撤廃されそうであった。 葉子は下宿へ逢いに来る一色と対で....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
べけれと。 爾時《ときに》ヴェンガイン村に一素女あり、ジサと名づく、貞操堅固、
儀容挺特、挙世無双だった。数千の無辜《むこ》の民を助けたさに左思右考して神託通り....
「細木香以」より 著者:森鴎外
だ手を束ねて傍看する外無かった。 王侯貴人が往々文芸の士を羅致して、声威を張り
儀容を飾る具となすように、藤次郎は俳諧師、狂歌師、狂言作者、書家、彫工、画工と交....
「リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
。 そのうちに電気燈がともった。二人は思出したように相顧みて外套をぬぎ、幾らか
儀容をただして食堂に下りて行った。食堂は大広間で立派であった。真夏の頃はこの食堂....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
独詠歌というよりも誰かに贈った歌の如くである。そして、持統天皇|従駕作の如くに、
儀容を張らずに、ありの儘に詠んでいて、贈った対者に対する親愛の情のあらわれている....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
のは大変なものであります。 そこで、ニッポン人は、威風堂々として、意気の盛んな
儀容を示さなければ、信用もしなければ、尊敬もしてくれない。そして、音物をやらなけ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
じを曲げまいものでも御座いませんので」 「はい承知いたしました」 遜が一かどの
儀容を整えにかかるとき佝僂乍ら一種の品格が備わるのであった。荘子は扉を無器用に開....
「三国志」より 著者:吉川英治
もない。 ただ彼は、父祖代々の名門と遺産と自尊心だけで、将士に対していた。彼の
儀容風貌もすこぶる立派なので、平常はその欠陥も目につかないが、戦場となると、遺産....
「三国志」より 著者:吉川英治
じさに、曹操の周囲を守っていた者どもは、思わず傘蓋を取り落したり、白旄黄鉞などの
儀容を崩して、あッとふるえおののいた。 いや、その雷圧は、曹軍数万の上にも見ら....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
内大臣定房や参議ノ経季や、また近衛経忠といったような、関白家もあったので、朝廷の
儀容もととのい、人材にかけては、決して、北朝の廷臣に劣るものではなかった。 そ....