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「儒者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

儒者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
前の札差で好事の名を取った青野長兵衛、讃岐侯の浪人平賀源内、御坊主の細井其庵、御儒者の大久保水湖などの顔が見えぬことは希だった。 そうした一座は、おぼつかない....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
日打ち揃って聖堂の南楼へ出て、林《はやし》図書頭《ずしょのかみ》をはじめとして諸儒者列席の前に一人ずつ呼び出され、一間半もある大きい唐机《からづくえ》の前に坐っ....
家霊」より 著者:岡本かの子
鼻立ちの、それがあまりに整い過ぎているので薄倖を想わせる顔付きの老人である。その儒者風な顔に引較べて、よれよれの角帯に前垂れを掛け、坐った着物の裾から浅黄《あさ....
運命」より 著者:幸田露伴
ものなり。之に加うるに文忠は器量沈厚、学を好み経を治め、其の家居するや恂々として儒者の如く、而も甲を※み剣を揮いて進み、創を裹み歯を切って闘うが如き経験は、未だ....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
駕籠が二挺横着けされた。一つの駕籠は空であったが、もう一つの駕籠から現われたのは儒者風の立派な人物であった。 「大学頭林家より、参りましたものにござりまするが、....
戯作者」より 著者:国枝史郎
たり、突然医家を志し幕府の典医|山本宗英の薬籠持ちとなって見たり、そうかと思うと儒者を志願し亀田|鵬斎の門をくぐったり、石川五山に従って柄にない狂歌を学んだり、....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ある。大小はどうやら短いらしい、羽織の裾をわずかに抜いて鐺の先だけを見せている。儒者といったような風采である。これが目明しの代官松が、疑心を差しはさんだ老人なの....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
いと、馬琴は保証している。 その話はこうである。 上野の輪王寺宮に仕えている儒者に、鈴木一郎という人があった。名乗は秀実、雅号は有年といって、文学の素養もふ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に扱われていたのを知るべきである。また、この外曾祖父が或る日の茶話に、馬琴は初め儒者を志したが、当時儒学の宗たる柴野栗山に到底及ばざるを知って儒者を断念して戯作....
孟母断機」より 著者:上村松園
り」 わたくしは、かつてのわたくしの作「孟母断機」の図を憶い出すごとに、一代の儒者、安井息軒先生の、右のお言葉を連想するを常としている。 嘉永六年アメリカの....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
ぬほど美味かった。 あの頃の葉茶屋の空気はまことに和かなもので、お寺の坊さん、儒者、画家、茶人それから町家の人たちがお茶を買いに見えたが、お茶はもっとも上品な....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
阪谷朗廬、根本通明、竹添井々、島田篁邨、三島中洲などもおったが、その他幾多相当の儒者が生存しておったから直接間接種々思想問題にも関係があった次第である。そうして....
想い出」より 著者:上村松園
智校と申す小学校に入学致しましたが、この時分から私は絵が好きで、四条に野村という儒者が居られましてこの方から絵を習いました。これが私の絵の習い始めで、その時開智....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。 「男が話が判ってくるのは一度首の座に直ってからだ」。私の母は、その父の郷士で儒者であった人が、しじゅうこう口癖に言っていたということを、よく幼時の私に話して....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
二人の手代の仲裁を依頼する商人、流行らぬ医者や貧に苦しむ坊主、大酒に身を持ち崩す儒者などに赤本を題材として適切な教訓を与える。それで全体としては教訓談であるが、....