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償
「償〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
償の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
はそう云う都合《つごう》の好い口実の後《うしろ》で、あの人に体を任かした私の罪の
償《つぐの》いをしようと云う気を持っていた。自害をする勇気のない私は。少しでも世....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
支出である。あるいは、そのために運上《うんじょう》を増して煙管の入目《いりめ》を
償《つぐな》うような事が、起らないとも限らない。そうなっては、大変である――三人....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ゆる》したかった。
「もし私がここで助かったら、私はどんな事をしても、この過去を
償《つぐの》うのだが。」
彼は泣きながら、心の底でこう呟いた。が、限りなく深い....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
の旦那《だんな》〔これはわたしの宿の主人です。〕のお金を使いこんだだけはまどう〔
償《つぐの》う?〕ように頼み入り候。「あ」の字の旦那にはまことに、まことに面目《....
「路上」より 著者:芥川竜之介
のど》を痛めているもんですから――それより『城』の売行きはどうです? もう収支|
償《つぐな》うくらいには行くでしょう。」
「いえ、そこまで行ってくれれば本望なん....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のに相違ない。アントニイもきっと我我同様、クレオパトラの眼とか唇とかに、あり余る
償いを見出したであろう。その上又例の「彼女の心」! 実際我我の愛する女性は古往今....
「或る女」より 著者:有島武郎
禁厭《まじない》のように思えるからしている事だった。木村にだっていつかは物質上の
償い目に対して物質上の返礼だけはする事ができるだろう。自分のする事は「つつもたせ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
小作に割宛てる事、仁右衛門の小屋は前の小作から十五円で買ってあるのだから来年中に
償還すべき事、作跡《さくあと》は馬耕《うまおこし》して置くべき事、亜麻は貸付地積....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
す。で、私は母や弟妹に私の心持ちを打ち明けた上、その了解を得て、この土地全部を無
償で諸君の所有に移すことになったのです。
こう申し出たとて、誤解をしてもらいた....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だ。社会はお前を褒めあげて、お前に、お前が心|窃かに恥じねばならぬような過大な報
償を贈ってよこす。お前は腹の中で心苦しい苦笑いをしながらも、その過分な報
償に報ゆ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ける実際の損失であると考えるには及ばない。この損失は他の場所における過剰によって
償われるのである。』すなわち、カントの考えでは、銀河の中心体付近にある諸太陽が消....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、どこまで行っても、因果の筋道を辿りて消ゆることがない。これは悲哀と恥辱とを以て
償わねばならない。 これと同様に、善行の結果も永遠不滅である。清き魂の赴く所に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なことを話しているのは愉しかったが、それから家へ歩いてゆくときの恐ろしさはそれを
償ってあまりあるほどだった。おそろしいもの影が、雪の夜のぼんやりすさまじく光るな....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
るだろう。しかしそこでおまえの生活が中断するのを俺たちはすまなく思う。しかしその
償いにともちゃんを得た以上、不平をいわないでくれ。な、そうしておまえは新たに戸部....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
、経済の自立がなくてはなりません。日本は狭き領土において資源少なく、その中に、賠
償を払いながら八千四百万の人間が生きて行かなければならぬのであります。これがため....