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「償う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

償うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
ど狂暴になった。その狂暴を募らせるように烈《はげ》しい盛夏が来た。春先きの長雨を償うように雨は一滴も降らなかった。秋に収穫すべき作物は裏葉が片端《かたっぱし》か....
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ンの三島があります。これ確かに富の源《みなもと》でありますが、しかし経済上収支相償うこと尠《すくな》きがゆえに、かつてはこれを米国に売却せんとの計画もあったくら....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
たる大道が開けているように思われた。彼は心を取り直した。戦いなるかな、自分の罪を償うためにも、最後の愛国的な興奮に副《そ》うためにも、ただ戦いがあるばかりだと思....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
りませんが、唯此の塔の底の宝が貴方の手で取り出される事に成ったと思えば、聊か罪を償う事が出来た様におもい、幾等か心が軽くなります」 言葉の意味は分って居るが、....
ある抗議書」より 著者:菊池寛
獄中でどんなに苦悶しても、彼の為に苦しんで居る数多くの人達の感情の十分の一をも、償うことは出来ますまい。殊に、不当に絞殺され不当に斬殺された被害者達の末期の無念....
我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
十円の損になりても、よき鑑定をなし、百四、五十円の中穴を一つ当てたる快味あれば、償うべし。 一、百二、三十円の穴にても、手柄の上では二百円に当るものあり、二百円....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
いない。わたしは多くの罪をかさねました。 親鸞 その罪は億劫の昔|阿弥陀様が先に償うてくだされた……ゆるされているのじゃ、ゆるされているのじゃ。(声細くなりとぎ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かえって多くの過失を具えているからである。そしてその過失が償われて――少なくとも償う本道の上に立って進みつつあるからである。自分はこの書を後れて来たる青年に対し....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
かった。 「……辻斬りの本人がお前だと知っては、私は活きてはおられない。子の罪を償うため父は潔く切腹する。で、お前の罪は消えた。父の後を追うことはならぬ。決して....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
懲戒の笞ではない。恥を忍び、苦痛を忍びて、自から積みあぐる善行の徳によりてのみ、償うことのできる自然の制裁である。御慈悲を願う卑劣な叫びや、オロオロ声を絞りての....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
末の雨のふる晩に寝床を這い出して、尾花川の堤から身を投げてしまった。人殺しの罪を償うためか、それとも病苦に堪えないためか、それらを説明するような書置なども残して....
反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
強いるのである。源氏がいけない事をする。それに対して十分後悔はしているが、それを償う事は出来ないで、心の底に暗いわだかまりとなって残っている。所が時経て後、其と....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
です。私のためにあなたは時間と心労を浪費されました。もしあなたの損害をなにほどか償うことができないのなら、私は死ななければならない。私はほんのすこしですが土地を....
宝石商」より 著者:小川未明
た。それよりほかにいい方法がなかったからであります。 宝石商は、この損をきっと償うだけの宝石をもう一|度、北の国へいって集めてこなければならないと決心しました....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
ます。されば今日の急務としては、これまで相親しまなかったがために生じたこの欠陥を償うの意味からでも、進んで互いに相親しむの機会を多く作りたい。いわゆる特殊部落な....