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優しい
「優しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
優しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
々へ時々短い旅行をした。が、荒あらしい木曾《きそ》の自然は常に彼を不安にした。又
優しい瀬戸内の自然も常に彼を退屈にした。彼はそれ等の自然よりも遥《はる》かに見す....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
出さない前にも彼女には「立派なお父さん」ではなかった。しかし勿論そんなことは気の
優しい彼女にはどちらでも善かった。唯《ただ》彼女に気がかりだったのは父が書画《し....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
業してから、今じゃ自分の銀行へ出ている、年配も我々と同じくらいの男だ。色の白い、
優しい目をした、短い髭《ひげ》を生やしている、――そうさな、まあ一言《いちごん》....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の眼なざしには、いつもの気味の悪い光がなくて、まるで涙ぐんででもいるような、もの
優しい潤いが、漂っているのでございます。それが祠の屋根へ枝をのばした、椎の青葉の....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《ずいきかつごう》した仏《ほとけ》は、円光のある黒人《こくじん》ではありません。
優しい威厳《いげん》に充ち満ちた上宮太子《じょうぐうたいし》などの兄弟です。――....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
を失った後、じょあん孫七の養女になった。孫七の妻、じょあんなおすみも、やはり心の
優しい人である。おぎんはこの夫婦と一しょに、牛を追ったり麦を刈ったり、幸福にその....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
さようでございますか? そうして頂ければ何よりの仕合せでございます。」
神父は
優しい感動を感じた。やはりその一瞬間、能面《のうめん》に近い女の顔に争われぬ母を....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
て》の邸宅《ていたく》に住んでいるのですね。背《せい》のすらりとした、ものごしの
優しい、いつも髪は――一体読者の要求するのはどう云う髪に結《ゆ》った女主人公です....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
けた。が、相手は腹を立てた気色《けしき》もなく、反《かえ》って薄気昧が悪いほど、
優しい微笑を漏《も》らしながら、
「そりゃどっちでも好いさ。どっちでも好いが、そ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
うにわざと足などをぶらつかせている。
「あなたはきっと賢《かしこ》い奥さんに――
優しいお母さんにおなりなさるでしょう。ではお嬢さん、さようなら。わたしの降りる所....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
った。――「或はこの女にもすまないのかも知れない。」わたしは未だにこの女にだけは
優しい心もちを感じている。
又
わたしは金銭には冷淡だった。勿論《も....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
う云いかけたなり、また涙に咽《むせ》びそうにしました。すると御主人は昔のように、
優しい微笑を御見せになりながら、
「しかし居心《いごころ》は悪くない住居じゃ。寝....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
しもしないが、兎に角まあ接して見ると、肚の底は見かけよりも、遥に細い神経のある、
優しい人のような気がして来た。勿論今後猶接して見たら、又この意見も変るかも知れな....
「寡婦」より 著者:秋田滋
にうける者がどこにあるでしょう! 私はその子が満足するだけ接吻をしてやりました。
優しい手紙も書きました。その手紙は母親たちも読んでいたのです。その子は火のような....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
いま妻を迎えようとしていた。そして自分の妻になる女を両親に引き合わせた。気だての
優しい、容色もなかなかいい女だった。 老人夫婦が代って自分たちの永い永い間の心....