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優り
「優り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
優りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
た積りです、若し強いて双方の間に優劣があるとすれば、夏子は美しさよりも愛らしさが
優り、秀子は愛らしさよりも美しさが優って居るとでもいうのでしょう、一方は天真爛漫....
「河明り」より 著者:岡本かの子
と娘は眼に涙さえ泛べ、最上の力で意志を撓め出すように云った。 「私のそれからの男
優りのような事務的生活が始まりました。その間二三度その男は帰って来ましたが、何と....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に不平は洩らせなくなる。もとより古我氏のみならず、すべての判官はいずれも古我氏に
優り劣りのない取調べをした上でなければ断罪に至らないに違いないのだ。 余談は置....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
秋までに謀策を仕遂せるのに一番むずかしいものは、浮舟という老女で年は五十四で、男
優りの尋常ならんものが属いて居ります。此者を手に入れんければなりません。此者と物....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
、さて来て見れば、家風の相違も大抵の事にはあらざりけり。 資産はむしろ実家にも
優りたらんか。新華族のなかにはまず屈指といわるるだけ、武男の父が久しく県令知事務....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
「霜こしやがね。」と買手の古女房が言った。 「綺麗だね。」 と思わず言った。近
優りする若い女の容色に打たれて、私は知らず目を外した。 「こちらは、」 と、片....
「連環記」より 著者:幸田露伴
かく申さで、おのずから其詩品を有りのままに申したる、まことに唐の司空図が詩品にも
優りて、いみじくも美わしく御答え申したと、親王も御感あり、当時の人々も嘆賞したの....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
たり、いじめ合ったり、どこへ行こうか迷ったりしている。斯んな場所に不似合な程、見
優りのするベッシェール夫人がその踊り場の一つのブウスカ・バルへ傘をつぼめてつか/....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
平湯の大滝は、不意打ちに現われるから驚かされることが多い。
水量に於ては華厳に
優り、高さに於ては中段以下が山谷に遮《さえぎ》られて見えないから、ちょっと際限を....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
これ一つ。わしは、常々申したのう。心正しきものの行う兵道の修法は、百万の勇士にも
優り、心|邪《よこしま》なる者の修法は、百万の悪鬼にも等しいと――牧、憶えておろ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
日に結婚した。 ファラデー」 またチンダルの書いたファラデー伝には、「これにも
優りて、雄々しく、清らかなる、不変の愛情他にあるべきや。宛も燃ゆるダイヤモンドの....
「朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
ますが、私は朝顔日記の深雪と淀君が好きです。内気で淑かな娘らしい深雪と、勝気で男
優りの淀君とは、女としてまるきり正反対の性質ですけれど、私にはこの二人の女性に依....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
り貰ってくれとの命令畏まると立つ女と入れかわりて今日は黒出の着服にひとしお器量|
優りのする小春があなたよくと末半分は消えて行く片靨俊雄はぞッと可愛げ立ちてそれか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
老尼僧も大臣に劣らぬ活発な気象だが、女ですから幾分か優しいところもあるけれども男
優りの思想を持って居られたです。
この尼僧はネパールのカトマンズへさして....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、反故張り障子を明けて出て来たのは、小三郎に音羽の二人で、 小「婆や其方は誠に男
優りの気質である、現在の一人の忰を手にかけて殺すとは、実につらい事であろうが、私....