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「優形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

優形の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
》の糸織で、八つ口の開いた女物に袖を通させて、折込んだ広襟を後から直してやれば、優形《やさがた》な色白の歯医者には似合って見えました。奥様は左からも右からも眺め....
縮図」より 著者:徳田秋声
ったり、どんどろ大師のお弓であったりしたが、お篠お婆さんに似て小股のきりりとした優形であった。赤坂時代のだという、肉づきのややふっくりしたのなぞもあった。 均....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
ほこりに汚れた着物を着て、跣足《はだし》だった。 顔は見えないが、二十八、九、優形《やさがた》のようすのいい女なのだ。 「ほほほほほ、おかしいねえ。殿様が女に....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の傍に、フロック姿の若林博士が突立っていて、厳めしい制服姿の警部と、セルずくめの優形の紳士を、正木博士に紹介している。 「大塚警部……鈴木予審判事……いずれもこ....
薬草取」より 著者:泉鏡花
名医というのが、五十|恰好で、天窓の兀げたくせに髪の黒い、色の白い、ぞろりとした優形な親仁で、脈を取るにも、蛇の目の傘を差すにも、小指を反して、三本の指で、横笛....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、土方とはどんな男だか見てやりたい! おや、思いの外いい男だねえ、色が白くて、優形《やさがた》で、なかなか好い男だ、新撰組というから、鬼からお釣を取るような男....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
軍人・軍隊という意である。軍勢に硬軟の区別を立てて、軍備えをするわけもないから、優形の軍隊といったふうの譬喩表現と見る説はわるい。やはり素朴に、女軍人の部隊と説....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
し、物言ひ打笑《うちえ》むとき頬のほどさと赤うなる。男には似合しからねど、すべて優形《やさがた》にのどやかなる人なり、かねて高名なる作家ともおぼえず心安げにおさ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
青年男子とは云いながら、皮膚や骨柄の感じなどは深窓の佳人とでも云いたいような優形な彼らが、大江山の怪物のような食慾を発揮するから、私は目を見はったのである。....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
門を通りすぎて五、六間行ったと思ったとき、門の中からひょろりと出てきた二十二三の優形《やさがた》の男。※《ふき》の厚い三枚重ねに三つ大の紋のついた小浜縮緬の紫の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
は格子の瑕でも見当はつくが、その足跡から見ると、お銀さんてえのは、四尺七、八寸の優形で女の身の持ち方知らずに刃を下へ向けたところから、左手利きをそのまま出して刀....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
か。」 「へえ、そう言やあちと――。」 「彦、仏を動かしてみな。」 孫右衛門は優形《やさがた》の小男、死んで自力《じりき》はないものの、彦兵衛の手一つでずずっ....
八寒道中」より 著者:吉川英治
顔を上げなかったのである。 噂のとおり、賛之丞はちょっと女好きのしそうな眉目に優形な肩幅を落すくせを持っている。だがその眸の底には、寸間も休まらないというよう....