儼乎[語句情報] »
儼乎
「儼乎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
儼乎の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「かのように」より 著者:森鴎外
か。手に取られない、微《かす》かなような外観のものではあるが、底にはかのようにが
儼乎《げんこ》として存立している。人間は飽くまでも義務があるかのように行わなくて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
水たちの一部に、こんな人間味が行われはじめたということを知った以上は、和尚として
儼乎《げんこ》たる処置を取ることでありましょう。 この晩、右の若い雲水たちは、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
生命を呪ったのでは……」
「……イヤ。違います。その正反対です」
と若林博士は
儼乎たる口調で云い切った。依然として私を凝視しつつ、頭をゆるやかに左右に振った。....
「惜別」より 著者:太宰治
ある。天祖はじめて基をひらき、神代を経て、神武天皇その統を伝え、万世一系の皇室が
儼乎として日本を治め給う神国の真の姿の自覚こそ、明治維新の原動力になったのである....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を虚空に擲つ
時に油然として山雲が起って来ますと大変です。修験者は威儀を繕い
儼乎たる態度をもって岩端に屹立します。で、真言を唱えつつ珠数を采配のごとくに振り....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
情がまた萌す。なんだかこう、神聖なる刑罰其物のような、ある特殊の物、強大なる物、
儼乎として動かざる物が、実際に我身の内に宿ってでもいるような心持がする。無論ある....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
崇嶺大岳は私の立っている山稜の峰頭に遮ぎられて、纔に額を覗かせているに止まるが、
儼乎たる特有の山貌は紛る可くもない。二羽の大鷲が劒岳の蒼空に悠々と輪を画いて舞っ....