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兀然
「兀然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兀然の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
て、向こう側の畳の上へ落ちたがために、醸されたささやかな音であった。
畳の上へ
兀然と立って、まるで怒ってでもいるように、飛び脚を高く鉤のように曲げて、蟋蟀は気....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
の日の帰りに、千束町を出ると夜暗《よやみ》の空に、真赤な靄《もや》がたちこめて、
兀然《こつぜん》と立ちそびえている塔が見えた。 「あれは、なんだろう。」 私は....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
でたる箱根のいただきとも知らずてやいと心づよし。遥かの空に白雲とのみ見つるが上に
兀然《こつぜん》として現われ出でたる富士ここからもなお三千仞はあるべしと思うに更....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
同じ張りをもち、導かるるまま打ち通りて、人気のなきに寒さ湧く一室の中にただ一人|
兀然として、今や上人の招びたまうか、五重の塔の工事一切|汝に任すと命令たまうか、....