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「元始〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

元始の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
さが五尺ほどの鼠色の四角な石になっている。荒廃と寂寞《じゃくまく》――どうしても元始的な、人をひざまずかせなければやまないような強い力がこの両側の山と、その間に....
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
天然とが示すある適当の方法をもってしますれば、この最悪の状態においてある土地をも元始《はじめ》の沃饒に返すことができます。まことに詩人シラーのいいしがごとく、天....
新生」より 著者:島崎藤村
の車の上であった。火か、水か、土か、何かこう迷信に近いほどの熱意をもって生々しく元始的な自然の刺激に触れて見たら、あるいは自分を救うことが出来ようかと考えたのも....
南路」より 著者:宮本百合子
色に、耕野の涯《はて》を区切っている。 明に、色の交響楽を感じる。自然は、やや元始的に賑やかなのを感じる。 けれども、その中に、ぽつねんと立っている泥色の黒....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ている単細胞生物の拡大像を発見するであろう。将来一切の生命の共同の祖先となるべき元始細胞の大群集を、さながらに見渡し得るであろう。……しかもこの元始細胞こそは地....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
け去らば。―― 素焼の土器より更に脆く、かよわく。 続いてらいてうの有名な「元始、女性は太陽であった」という感想文がある。 「元始、女性は実に太陽であった。....
婦人作家」より 著者:宮本百合子
ことを得なくなった進歩的インテリゲンチャの一動向であった。 雑誌『青鞜』は、「元始、女性は太陽であった」その女性の天才を「心霊上の自由」によって発揮させるとい....
無題(二)」より 著者:宮本百合子
だやかな巣の気分を与える。 町にで、記念のために買った本や、メキシカンの手製の元始的な壺などを並べた中で、する生活。 机によって、彼が、カーキの粗い素朴なシ....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
だの、そんなものを売っていた。僕はそのそばに行って、いろいろいじって見たが、余り元始的で、故郷の土産にするようなものは極めて尠なかった。小さい木製の牛をいじって....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らか学者だった。彼はかなり珍しい書き物を五つ六つ残した。なかんずく創世記の一節「元始に神の霊水の上に漂いたりき」という句についての論があった。彼はこの句に三つの....
最後の一句」より 著者:森鴎外
いかという迷信さえ加わったので、孝女に対する同情は薄かったが、当時の行政司法の、元始的な機関が自然に活動して、いちの願意は期せずして貫徹した。桂屋太郎兵衛の刑の....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
の暗が襲うてくるごとに、満知姫様にはごようすが変わり、獣のようになられるそうだ」元始の人間の血液が、ある特質の人間だけに間けつ的に遺伝って、夜になるごとに、その....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
へ呼戻す時には、岸から艫の縄を手繰ると、人は無くても船は房って来る、然ういう甚だ元始的の方法で有った。 「この渡しを越すと越さぬとでは、道程に大変な損得が有るそ....
ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
ては後項で私見をのべよう。 妖怪の存否とその起元 妖怪変化の起元は、元始人類が、他の巨大な動物、未知の動物、または自然の威力等に対して持った実感に基....
イエスキリストの友誼」より 著者:新渡戸稲造
るがこれは畢竟《ひっきょう》するに道徳進化の最初の徳である。最もプリミティーブな元始的な道徳である。故に人は何処までも社交的性質のもので友なくては生存するわけに....