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「元朝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

元朝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
うこうぼう》は、梅道人《ばいどうじん》や黄鶴山樵《こうかくさんしょう》とともに、元朝《げんちょう》の画《え》の神手《しんしゅ》である。※南田はこう言いながら、か....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
た。三十日は、昨日の大雨の名残りで、軍勢の足場を得かねた。 あくる寛永十五年の元朝《がんちょう》は、敵味方とも麗かな初日を迎えた。内膳正は屠蘇《とそ》を汲み乾....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
は新年来多少有名になったので、猫ながらちょっと鼻が高く感ぜらるるのはありがたい。元朝早々主人の許《もと》へ一枚の絵端書《えはがき》が来た。これは彼の交友某画家か....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
日本の茶の湯となった。 不幸にして十三世紀|蒙古種族の突如として起こるにあい、元朝の暴政によってシナはついに劫掠征服せられ、宋代文化の所産はことごとく破壊せら....
断橋奇聞」より 著者:田中貢太郎
がある。 元の至正年間のこと、姑蘇、即ち今の蘇州に文世高という秀才があったが、元朝では儒者を軽んじて重用しないので、気概のある者は山林に隠れるか、詞曲に遊ぶか....
富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
た。 そこで友仁は日英の家に数年いたが、そのうちに張氏が高郵に兵を起したので、元朝では丞相脱脱に命じて討伐さした。大師|達理月沙という者があって、書物を読んで....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、釣瓶で三ばい頭から水を浴びる。不精者の癖で、毎日の冷水浴をせぬかわり、一年分を元朝に済まそうと謂うのである。 戸、窓の限りを明け、それから鶏小屋の開闢。 ....
鉄面皮」より 著者:太宰治
、癸卯、晴、鶴岳宮の御神楽例の如し、将軍家御|疱瘡に依りて御出無し、前大膳大夫広元朝臣御使として神拝す、又|御台所御参宮。十日、庚戌、将軍家御疱瘡、頗る心神を悩....
十二支考」より 著者:南方熊楠
チ》が顕用された例は、ユールの『マルコ・ポロの書』一版一巻六一章に出《い》づ。胡元朝の遺民|陶宗儀《とうそうぎ》の『輟耕録』四に、往々蒙古人雨を祷《いの》るを見....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《じまん》して淮西の諸郡を陥れ、それより陳友諒・張士誠等の兵|尋《つい》で起り、元朝滅亡に及んだ次第を述べ居る。本朝にも弥勒の平等世界を唱えて衆を乱した事歴史に....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
というに私は興奮して目を醒してしまう。そして暗く静かなそのころの堺筋へ出て夜半と元朝の心ちよく冷たい静寂の空気を味わうのであった。ところがなかなか父が起きて来な....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、道者、行者の衆、京、大阪は申すに及びませぬ、夜一夜、古市でお籠をいたしまして、元朝、宇治橋を渡りまして、貴客、五十鈴川で嗽手水、神路山を右に見て、杉の樹立の中....
十二支考」より 著者:南方熊楠
句に「明くる夜もほのかに嬉《うれ》し嫁が君」。去来《きょらい》がいわく、除夜より元朝掛けて鼠の事を嫁が君というにや、本説は知れずとぞ、今按ずるに年の始めには万事....
三国志」より 著者:吉川英治
たく間に、長江の埠頭まで来た。この頃、日はすでに登って揚子江の水はまばゆいばかり元朝の紅波を打っていた。 「あっ、わが君、オオ、ご夫人にも」 「趙雲か。とうとう....
私本太平記」より 著者:吉川英治
をかさねた六波羅松の松の奏でに。 近くの八坂ノ神の庭燎、祇園の神鈴など、やはり元朝は何やら森厳に明ける。 明けて、ことしは元亨二年だった。 ただしく過去を....