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「元町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

元町の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を十右衛門に訊いた。 「一体ゆうべは何処へなにしに行きなすったんだ」 「中の郷|元町《もとまち》の御旗本大月権太夫様のお屋敷へ伜の名代《みょうだい》として罷り出....
追憶」より 著者:芥川竜之介
ができたのもやはりそのころのことだった。僕はある日の暮れがた、ある小学校の先輩と元町通りを眺めていた。すると亜鉛の海鼠板を積んだ荷車が何台も通って行った。 「あ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
云いながら、私たちに取っては縁の薄い方である。 そのほかに元園町に堀江小学、山元町に中村小学というのがあって、いわゆる代用小学校であるが、その当時は私立小学校....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
一 一席申し上げます、是は寛政十一年に、深川元町猿子橋際で、巡礼が仇を討ちましたお話で、年十八になります繊弱い巡礼の娘が、立....
少年探偵長」より 著者:海野十三
講堂で午前中を過した。それがすんで、外へでたが、そこで金谷先生といっしょになり、元町の方へ抜けて学校へもどることになった。そのとき万国骨董商チャンフーの店の前を....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ツレツ、関東煮、活動、征露丸の夜店では発見出来ない情景である。 それからじきに元町は明るい商家が軒を並べている。その元町を行き過ぎてしまうと三越のところから楠....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
悚然としましたが、何しろ、自宅へ背負い込んでは妙ならずと、直ぐに歩を転じて、本郷元町へ参りました。 ここは篠田が下宿している処でありまする、行馴れている門口、....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
と、いささか不思議にも思う位であった。それから半年ほどの後、円朝が近所(麹町区山元町)の万長亭という寄席へ出て、かの「牡丹燈籠」を口演するというので、私はその怪....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
敷や旗本屋敷などが、整然として並んでいて、人の通りが極めて少ない。南へ突っ切れば元町となって、そこを東の方へ曲がって行けば、お茶の水の通りとなる。 その道筋を....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
役目である。 ところが、ある年の暮、いよいよ押し詰まって来たのにかかわらず、蔵元町人の平野屋ではなんのかんのと言って、一向に用達してくれない。年内に江戸表へ送....
雪柳」より 著者:泉鏡花
しい、今もこの通りですが、志を立てて上京した。とっかかり草鞋を脱いだのが、本郷|元町にあった間淵の下宿で、「やあ、よく来たね、」は嬉しいけれども、旅にして人の情....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
普通の子供以上に発達したのも無理はなかった。 わたしの姉は長唄の稽古以外に、山元町の藤間|大奴という師匠のところへ踊りの稽古に通っていた。わたしは母に連れられ....
火に追われて」より 著者:岡本綺堂
谷君が雨を冒して来て、一時間ほど話して帰った。広谷君は私の家から遠くもない麹町山元町に住んでいるのである。広谷君の帰る頃には雨もやんで、うす暗い雲の影は溶けるよ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
、変なことを言い寄ってくるので『これではたまらん』と逃げ出した。 次の日、私は元町の木村屋というパン屋に雇われた。なにしろ当時はビスケットなどめったに口にした....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
その中に少しでもにぎやかな通りを求めるとすれば、それは僅かに両国から亀沢町に至る元町通りか、或は二の橋から亀沢町に至る二つ目通り位なものだったであろう。勿論その....