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「兄上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兄上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
け》らるる、我が威には募《つの》らるる、あれが天下の宰相たるべき行状であろうか。兄上が今の心をあらためぬかぎりは、たとい玉藻一人を打ち亡ぼしても、やがて第二の玉....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
お雪が取次ぐひまもなしに、一人の若侍が足音あらくこの席へ踏み込んで来た。 「兄上兄上」 それが弟の源三郎であると知って、市之助は薄く眼をあいた。 「おお....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
かりだったので、それにつれて君の一家にも生活の苦しさが加えられて来た。君の父上と兄上と妹とが気をそろえて水入らずにせっせわかるようだ。君は故郷に帰っても、仕事の....
真田幸村」より 著者:菊池寛
滅びざらんことを計るべしと。幸村曰く、西軍敗れなば父も我も戦場の土とならん。何ぞ兄上の助けを借らん。天正十三年以来豊家の恩顧深し、石田に味方するこそ当然である。....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
纈城はあるのである。 そうしてその城の一室にこそ仮面の城主はいるのである。 「兄上!」 と突然光明優婆塞は、湖水へ向かって呼びかけた。「まだあなたはこの私を....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
いう証拠が無かった。処刑することが出来なかった。 この頃宗春は宗家にいた。 「兄上、私が討ち果たしましょう」こう彼は継友に云った。 その夜宗春は金太夫を召し....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
して、海気に焼け切った鉤鼻を弟に向けて、髻をゆるやかに揺すぶるのだった。 「だが兄上、私はただ、海波高かれとばかりに祈りおりまする。そして、舷側の砲列が役立たぬ....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
が厭がるからじゃ! が、今夜はどうあろうと、屋内へ入って探さなければならぬ」 「兄上! しかし、そればかりは……」と主馬之進は夜眼にも知られるほどに、顔色を変え....
光は影を」より 著者:岸田国士
枕許に、三通の封書が重ねて置いてある。 その一通は、たしかに彼宛のもので、――兄上様、と、封筒の中央に書き、その横に、所番地と名前がしるしてあつた。 彼は、....
剣侠」より 著者:国枝史郎
如何なされた?」 「敵……父上の……父上の敵……陣十郎に巡り逢い……切り合う間に兄上には、陣十郎に誘き出され! ……向こうへ、向こうへ、向こうへ行き……そのまま....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は武士であったが、一人は前髪を立てたままの、十七、八歳の少年であった。 「私には兄上のご行動が、奔放に過ぎるように存ぜられます。不安で不安でなりませぬ。少しご注....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
大将うけたまわりながら、捗々しい矢軍も得せいで、父上の御機嫌さんざんであったを、兄上に頼んで此の頃ようように取りつくろうたほどの不覚者が、われわれの恋仲を薄々気....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
この Exotic の一巻を 三郎兄上に献ず、 兄上は小弟を愛し小弟 を是認し小弟を保護し たまう一人の人なり。 ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
「乱暴だなあ。しかし、痛快だ。お酌をするのも頂くのも、ともに光栄です。」 「お兄上。」 「…………」 「おほ、ほ。ああ酔った。私……お兄上にあたる方にお酌をさ....
古事記」より 著者:太安万侶
歌いました歌、 山城《やましろ》の筒木《つつき》の宮《みや》で 申し上げている兄上を見ると、 涙ぐまれて參ります。 そこで皇后樣がそのわけをお尋ねになる時....