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「兄分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兄分の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
かなぐり捨てるが早いか、「瀬沼兵衛《せぬまひょうえ》、加納求馬《かのうもとめ》が兄分、津崎左近が助太刀《すけだち》覚えたか。」と呼びかけながら、刀を抜き放って飛....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
、兄弟分《きょうだいぶん》になれば善《い》い悪いを明《あか》しあうのが兄弟分だ、兄分《あにぶん》の己の口から縛らせる気遣《きづけえ》ねえ、殺したから殺したと云え....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
根こそぎ鼻毛を抜かれちまうぜ」 しきりとあいきょう者が一日の長を誇って、いやに兄分風を吹かしているのを、右門はくすくすと笑いわらい聞き流しながら、黙念としてし....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
われたのが、これはまたおよそ変わったことがあればあるもので、珍しく伝六がいたって兄分顔に気取りながらいいました。 「みっともねえな。何がふにおちねえんだい」 「....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おくんなせえまし! 石にかじりついても辰のかたきを討って成仏させてやらなくちゃ、兄分がいがねえんだから、伝六に男をたてさせておくんなせえまし!」 手がかりの一....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
れが毎年元旦に第一に読む本になっているということである。三五郎という前髪と、その兄分の鉢鬢奴《ばちびんやっこ》との間の恋の歴史であって、嫉妬《しっと》がある。鞘....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
里画壇の大家の中でも、特にむす子に親しくして呉れている人であり、先輩というより、兄分といった程に寛いでむす子が交際っていることは、かの女によく知れていた。それ程....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
であるから、人間と雑居するのを好まないのである。しかし君は堅固な人物であるから、兄分として交際したいと思うが、どうだな」 「よろしい」と、陳も承知しました。 ....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
ぬ気味合で眼のまわりに皺を湛えつつも、何か話すところは実に堂々として、どうしても兄分である。そしてまたこの家の主人に対して先輩たる情愛と貫禄とをもって臨んでいる....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
!」 ――爾来人々弥左衛門を、釣鐘弥左衛門と称したが、それ程の釣鐘弥左衛門も、兄分と立てなければのは、緋鯉の藤兵衛という町奴であった。 4 ある日と云っても....
入れ札」より 著者:菊池寛
心で見ていたのは稲荷の九郎助だった。彼は年輩から云っても、忠次の身内では、第一の兄分でなければならなかった。が、忠次からも、乾児からも、そのようには扱われていな....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ては種々な品物の臭気《におい》に過ぎなかった、親分の藤吉は柚子味噌《ゆずみそ》、兄分の勘弁勘次は佐倉炭、角の海老床の親方が日向《ひなた》の油紙《ゆし》、近江屋の....
イエスキリストの友誼」より 著者:新渡戸稲造
尽そうというのである。此の中には思想が深くて学問の広い内村鑑三君や、三宅君の如き兄分もいる。これらの人たちと上野の大仏あたりを夜の十二時頃散歩しながら豌豆を買っ....