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兄弟
「兄弟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兄弟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
しょう? 僕はただ本多少佐の顔だけ見覚えているくらいなんですが、……」
「さあ、
兄弟思いの人だったですね。それからと……それからいつもクラス・ヘッドだった人です....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
たからである。――
その夜、阿濃は、夜ふけて、ふと目をさますと、太郎次郎という
兄弟のものと、沙金《しゃきん》とが、何か声高《こわだか》に争っている。どうしたの....
「春」より 著者:芥川竜之介
いますか?」
「いいえ、親父《おやじ》だけです。」
「お父様《とうさま》だけ。御
兄弟は確かございませんでしたね?」
「ええ、僕だけです。」
彼等は第二室を通り....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
う云う生活欲に駆《か》られていた彼は勿論原稿料の前借《ぜんしゃく》をしたり、父母
兄弟に世話を焼かせたりした。それでもまだ金の足《た》りない時には赤い色硝子《いろ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
はありません。優しい威厳《いげん》に充ち満ちた上宮太子《じょうぐうたいし》などの
兄弟です。――が、そんな事を長々と御話しするのは、御約束の通りやめにしましょう。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
れば、当たり前の河童の生活ぐらい、莫迦《ばか》げているものはありません。親子夫婦
兄弟などというのはことごとく互いに苦しめ合うことを唯一の楽しみにして暮らしている....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
つように咲いている、真夏の胡麻畑である。何小二はその胡麻の中に立っている、自分や
兄弟たちの姿を探して見た。が、そこに人らしいものの影は一つもない。ただ色の薄い花....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ている、――しかしそのために洋一は、一度でも兄に対する情《じょう》が、世間普通の
兄弟に変っていると思った事はなかった。いや、母が兄をつれて再縁したと云う事さえ、....
「白」より 著者:芥川竜之介
どもお嬢さんは不相変《あいかわらず》気味悪そうに白を眺めています。
「お隣の黒の
兄弟かしら?」
「黒の
兄弟かも知れないね。」坊ちゃんもバットをおもちゃにしながら....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
体《もったい》をつけやがるだろう。だがそんな事は嘘《うそ》っ八《ぱち》だ。なあ、
兄弟。そうじゃねえか?」
堀尾一等卒にこう云われたのは、これも同じ中隊にいた、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
此処に住んでいれば、両親は子供の成人と共に必ず息を引取るのである。それから男女の
兄弟はたとい悪人に生まれるにもしろ、莫迦には決して生まれない結果、少しも迷惑をか....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
いた時の通り、御側勤《おそばづと》めをするつもりです。年とった一人の母さえ捨て、
兄弟にも仔細《しさい》は話さずに、はるばるこの島へ渡って来たのは、そのためばかり....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
の修理を、あわれとこそ思え、憎いとは思わぬ筈じゃ。修理は、宇左衛門を親とも思う。
兄弟とも思う。親
兄弟よりも、猶更《なおさら》なつかしいものと思う。広い世界に、修....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
、この恐怖を紛らす為に「罪と罰」を読みはじめた。しかし偶然開いた頁は「カラマゾフ
兄弟」の一節だった。僕は本を間違えたのかと思い、本の表紙へ目を落した。「罪と罰」....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
に近きが如し。繊婉にしてよく幽渺たる趣を兼ぬ。「田園の憂欝」の如き、「お絹とその
兄弟」の如き、皆然らざるはあらず。これを称して当代の珍と云う、敢て首肯せざるものは皆偏に南瓜を愛するの徒か。....