充填[語句情報] » 充填

「充填〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

充填の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
碁盤縞が市松《いちまつ》模様となるのは碁盤の目が二種の異なった色彩によって交互に充填《じゅうてん》されるからである。しからば模様のもつ色彩はいかなる場合に「いき....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
さである。それは空虚な空間ではなくて、人間にいちばんだいじな酸素と窒素の混合物で充填され、そうしてあらゆる膠質的浮游物で象嵌された空間の美しさである。肺臓いっぱ....
鐘に釁る」より 著者:寺田寅彦
の間隙が 10-8cm 程度である場合にこの種の皮膜ができればそれによって間隙は充填され、その皮膜はもはや流体としてではなく固体のごとき作用をして、音波が割れ目....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
が省略されているそうであるが、それでもおもしろくなくはない。牛乳びんがいっせいに充填されて行くところだとか、耕作機械の大分列式だとか、これらは子供にもおとなにも....
モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
は大盆をかたげ、あるいは空手で絶えず白前掛をひらめかせ代表員《デレガート》の胃袋充填をして廻らなければならない。彼は不機嫌である。 日本女は、茶が飲みたくなっ....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
利ヴェニスの芸術家等は、ゴンドラを焼打ちして水市を破壊し、自動車と飛行機の爆音で充填《じゅうてん》された、幾何学的コンクリートの近代都市を造れと言ってる。けだし....
私たちの社会生物学」より 著者:宮本百合子
のひとが、真実今日の生活に何かの空虚感を感じたとしたら、それは、急速に、努力的に充填されなければならない個人的・社会的生活の空白に対する警笛として、寧ろ動的に、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れば、空虚といってもよろしい。 つまり、その食物を求めんがため、食物で悪ければ充填物《じゅうてんぶつ》を、さがし求めんがために、ふらふらと歩き出したのだが、こ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れば無警告にこのぶったくりを強行することがある。 つまり、走りながら、空駕籠の充填物《じゅうてんぶつ》にはまりそうなおとりを物色し、それを見つけたことになると....
麦藁帽子」より 著者:堀辰雄
、まるでパンの焦げるような好い匂《にお》いがした。 海岸には、光線がぎっしりと充填《つま》って、まぶしくって、何にも見えない位だった。そしてその光線の中へは、....
鳥料理」より 著者:堀辰雄
じつま》が合わなく見えるのは、その間隙の所為《せい》が多い。私はその間隙を何かで充填《じゅうてん》しようと努力してみることがあるが、どうもそれがうまく行かない。....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
等の認可を受けた上でなければ、成るべく、交霊を差控えるがよい。同様に肉体が食物で充填し切って居る時も、兎角下級霊の為めに先手を打たれ勝ちで甚だ困る。かの物理的心....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
、動力をはたらかして、圧搾空気をつくった。それを甲板まで導いて、麻布の風船の中へ充填した。 天佑か、奇蹟か、大きな麻袋は、大きくふくらみ、空へ飛翔せんとて暴れ....
露の答」より 著者:坂口安吾
そこで次官と折衝する、次官は専門の行政官ですから頭の中には机の抽斗だの書類だのが充填しております。大いに驚いて、そんなことが君できるものか、と最後的見幕を以て開....
鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
げられて行った。さすがに一二度電球を持つ手が顫えたのを覚えて居る。 遂に火薬は充填された。鼠色の重たい爆烈電球は出来上った。それを運ぶとき心臓が妙な搏ち方をし....