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充実
「充実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
充実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの道」より 著者:有島武郎
。また左のみを辿って平然としていることはできない。この二つの道を行き尽くしてこそ
充実した人生は味わわれるのではないか。ところがこの二つの道に踏み跨がって、その終....
「想片」より 著者:有島武郎
漫然と依頼しているのが発見されるだろう。彼が現在に本当に立ち上がって、その生命に
充実感を得ようとするならば、物的環境はこばみえざる内容となってその人の生命の中に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
がらも、この現在は私に取っていかに親しみ深くいかに尊いものだろう。そこにある強い
充実の味と人間らしさとは私を牽きつけるに十分である。この饗応は私を存分に飽き足ら....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
史的発達を調べるような機縁に立至ったので、このついでにこの方面における私の知識を
充実させれば、それによって古来各時代における宇宙関係諸問題に対する見解についての....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
る。唯一の道はいかなる条件にもせよ一旦戦争を終結させて、科学に基礎を置いた国力の
充実を計り、三十年五十年後の機会を覗うこと以外にはあるまいと思う。科学を軽視した....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なし。渋谷から青山の通りを経て赤坂見附まで全くよく焼けたもの。古くからの、そして
充実した町であっただけに灰燼に帰した今日、口惜しさがこみあげてくる。 材木町で....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の店もないが、小ぢんまりと落付いた賑やかさの夜街の筋が通っていた。店先には商品が
充実していて、その上種類の変化も多かった。道路の闇を程よく残して初秋らしい店の灯....
「食魔」より 著者:岡本かの子
らッ!」 「料理だって音楽的のものさ、同じうまみがそう晩までも続くものか、刹那に
充実し刹那に消える。そこに料理は最高の芸術だといえる性質があるのだ」 お絹は屑....
「生の拡充」より 著者:大杉栄
在物を空間に展開せしめんとするの謂に外ならぬ。 けれども生の拡張には、また生の
充実を伴わねばならぬ。むしろその
充実が拡張を余儀なくせしめるのである。したがって....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
んどまったく破壊されてしまった。そしてフランスは、その生産力の恢復よりも、軍備の
充実により多くの力を注いだ。とてももう相撲にはならない。したがってドイツが急にこ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
た。新吉はわれを忘れて見送った。あれ程の年をしながら青年のように女に対して興味が
充実してる男が羨ましかった。新吉のようにもう夢のほか感情の歯の力を失ったものは彼....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
化はあまりに急速に発展せしため、その根底において堅実を欠く憾みがある。これを培養
充実するには古典の普及に俟つところが多い。古典は永遠に生く。その普及は、人生の問....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
退陣を要求するものであります。吉田内閣が、警察予備隊を保安隊に切りかえその装備を
充実しつつあることは、憲法第九条の違反の疑い十分なることは、何人といえどもこれを....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
当に保存する時は、ちょうど、草の尖端をつめて、幹を太らせるように、精神力、体力を
充実させ、それによって偉大な事業、絶大な忍耐、神聖な生活道程をなし遂げ得るのであ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
戦争を以て戦争を養う主義により、長年月の戦争により、良く工業の独立を完うし国力を
充実して、次いで来るべき殲滅戦争を迎うるを得べし。 昭和四年頃はソ連は未だ混沌....