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充足
「充足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
充足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
個性の再造から再造に飛躍しようとする。然るに智的生活は私のこの飛躍的な内部要求を
充足しているか。 智的生活の出発点は経験である。経験とは要するに私の生活の残滓....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
争の愚を悟る。且つ最終戦争により思想、信仰の統一を来たし、文明の進歩は生活資材を
充足し、戦争までして物資の取得を争う時代は過ぎ去り人類は、いつの間にやら戦争を考....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
行して、同時に一方では照明の修正、カメラの操作テスト、録音に関する整備、小道具の
充足、大道具の修理などが行われる。 一、大体の見当がついたら綜合的テスト。 一、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
が、僕は今仙台市内のある住宅街に棲んでいます。僕はあなたが仰言った『無』それ自身
充足する積極的ないのちのあるということが気になり、これを研究立証してみたくて、普....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
と名付けるならば善とは人格の要求の実現である。けっして断片的なる官能的欲望のみの
充足を言うのではない。 西田氏の倫理思想は一言にして蔽えば人格的自然主義である....
「現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
無い。 ○偉くなろうなぞとはちっとも思わない。空虚な気がする。それより刹那々々の
充足感。 ○そりゃ時々はくさる付けてしまって、せっせとスポーツすれば癒る。 ○わ....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
。私もそれを好まぬことはなかった。しかし、一度にもっと渾然として而も純粋で爽かな
充足を欲した。「もっと、とっぷりと浸かるような飲ものはない?」「しとしとと、こう....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
杜鵑を機縁として追懐せられたのが、「古に恋ふる鳥かも」という句で、簡浄の中に情緒
充足し何とも言えぬ句である。そしてその下に、杜鵑の行動を写して、具体的現実的なも....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
向って祈求されているだけのことだ。そして、勝利の有り得ざる理をさとり、敗北自体に
充足をもとめる境地にも、やっぱり勝利はない筈である。 けれども、私は勝ちたいと....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
コールを配給する。一向に楽しくない。たゞ、いつ客が来なくなるかといふ不安によつて
充足してをり、ともかく
充足してゐる証拠に、目がさめると自然にビヂネスの日課に応じ....
「呉清源」より 著者:坂口安吾
に執着するのが当然だが、呉氏の場合は情緒的なものがないから、その執着には、いつも
充足した逞しさがある。坂田七段は呉清源に気分的に敗北し、勝っている碁を、気分によ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
。ありがとう」 と、言った。たった一語、この一語のほかの言葉は有りえないという
充足した趣きがこもっていた。 私は人の世話をやいてやって、大失敗したのである。....
「温浴」より 著者:坂口安吾
うことを考えたりする。人生はこれぐらいのものだという嘲笑的なものではない。もっと
充足し、ひたりきった楽天気分だ。なんのために生きるか、なんのために仕事をするか、....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
った。百里離れて人の色恋を案じてみてもムダなことだ。 長平は珍しく眼前の事実に
充足するよろこびを味っていた。 「今日は珍しく、たのしいよ。風に乗って、たのしい....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
仰の統一。 2 全世界を支配し得る政治力。 3 全人類を生活せしむるに足る物資の
充足。 心と物は「人」に於て渾然一体である。その正しき調和を無視して一方に偏重....