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兇悪
「兇悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兇悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
はげむようになる。彼等はすべて余の思いどおりになる。まるで器械人間と同じことだ。
兇悪なる危険人物も、三十分の音楽浴で模範的人物と化す。彼等は誰も皆、申し分のない....
「蠅男」より 著者:海野十三
日ざし――帆村はすっかりいい気持になって、ブラブラと橋の上を歩いていった。これが
兇悪「蠅男」の跳梁する大阪市と程遠からぬ地続きなのであろうかと、分りきったことが....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
ような夜更しをするさえ既に危険であるのに、殊にこの辺りの海は夜霧が多く話に聞けば
兇悪な大|鱶さえも出没すると云う。私は、夫人の慌だしい招きの電話を思い出しながら....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
。 全く、悪いことは続けて起るとはうまいことを云ったもので、今度のような世にも
兇悪無惨な惨事がもちあがる以前から、もう既に赤沢脳病院の朽ちかけた板塀の内には、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は駄々児を諭すような調子で、
「ウン、この事件の犯人たるや、いかにも神速陰険で、
兇悪きわまりない。しかし、僕の云う理由はすこぶる簡単なんだ。だいたい君が、強度の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
でございます。しかし我々は人間に対して決して禍いをなすものではございません。かの
兇悪な猿どもがたちまち滅亡したのは、あなたのお力とは申しながら、畢竟は天罰でござ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
座敷か、座敷牢へでも、送られて行くように思われた、後前を引挟んだ三人の漢の首の、
兇悪なのが、確にその意味を語っていたわ。もうこれきり、未来まで逢えなかろうかとも....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
知れんと思うてうちよったんや」 三人とも汗びっしょりである。いまさらのように、
兇悪無残なやりかたに、腹の底まで凍るような気持ちである。さいわい、三人とも怪我が....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
行方不明の宇宙艇があるじゃないか。わしのにらんだところによると、宇宙のどこかに、
兇悪な宇宙の猛獣とでもいうべき奴がひそんでいて、みんなそれに喰われてしまうんだど....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
の事件に登場したことのない人物なのである。果して如何なる人物であろうか。それこそ
兇悪なる真犯人であるかも知れない。また、それは事件に関係のない売店の売子の指紋で....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
わないと、たいへんなことになる」 どこまでも不運なサウス・クリパー機であった。
兇悪な共産党員に乗りこまれている上、いままた悪天候に追いかけられることとなった。....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
下って、目を眠った。その面影に颯と影、黒髪が丈に乱れて、舞台より長く敷いたのを、
兇悪異変な面二つ、ただ面のごとく行燈より高い所を、ずるずると引いて、美しい女の前....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
ならない。県令はその当時埋葬に従事した土工らを大勢よび出してみると、いずれも相貌
兇悪の徒ばかりだ。かれらの顔をいちいち睨みまわして、県令は大きい声で、貴様たちは....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
静さじゃ、音は城下一杯に谺します。――私にその鏨をお貸しなさいな。」 「鏨を。」
兇悪をなすに、責を知って、後事を托せよと云うがごとく聞えて、頷いて渡した。 「拳....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
越千造だと名乗られても、恐らく信じられなかったであろう。それほど態度にも容貌にも
兇悪のかげはみじんも見えなかった、反って人の好さそうな貴公子にさえ見えるのだった....