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兇暴
「兇暴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兇暴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
》み出てくるのだった。 わけても、鬼猪殃々《おにやえもぐら》のような武装の固い
兇暴な植物は、ひ弱い他の草木の滴《しずく》までも啜りとってしまうので、自然茎の節....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
待ち受けて、無理に聖天下のさびしい場所へ連れ込んで、かれこれ押し問答の末に、その
兇暴性を発揮したものと認められた。福田の屋敷に関係のある者のうちに、お熊が現在の....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
者は、一人も見当らなかった。皆が皆、燃えるような愛国心、鉄のような忍耐心を持って
兇暴な敵の空襲に立ち向ったのであった。 国民のこの盛んなる意気は、敵艦敵機を向....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
変なことになる……いいかね、犯人は狂人で三人、それもただの気狂いじゃアなく、突然
兇暴化して、なにをしでかすか判らない連中なんだ」 「まったく」と予審判事が青い顔....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
をかけて、しくしく泣いているようなこともしばしばあった。 が、すぐにこんどは、
兇暴な気持が襲うて来た。鞭のようなものを持っては、第四期生や新入の第五期生をおど....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に人間から憎まれ恐れられていないのは、平生から人家に近く棲んでいるのと、鷲ほどの
兇暴を敢てしない為であろう。子供の飛ばす凧は鳶から思い付いたもので、日本ではトン....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に余り、鏃は青銅製の四叉になっていて、鴻の羽毛で作った矢筈と云い、見るからに強靱
兇暴をきわめ、クリヴォフ夫人を懸垂しながら突進するだけの強力は、それに十分窺われ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
教授も、ゆだんはしていなかった。だがこの三人がスコール艇長、じつは怪人ガスコ氏の
兇暴なる陰謀を知りつくしているわけではないから、危険は刻一刻とせまってくる。 ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
、いちど怒ったら巨船《きょせん》でもうち沈めるだけの事をやります。おとなしい割に
兇暴《きょうぼう》な一面をもっています」 ラウダが説明してくれた。 「さあ、僕....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ありき。彼の叫びと呪いの声は絶えず聞こえたれど、その声は人とも獣とも分かぬ一種の
兇暴|獰悪の唸り声に圧せられんとしつつあるなり。 われは暫くなんの思案もなかり....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の機会なのである。そうした際には、上界の天使達の威力も思うがままに加わり、いかに
兇暴なる魔軍といえども、到底これに一指を染め得ないであろう。折角の大祭日が暴飲暴....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
れてもいなかったが、きょうはその様子がふだんと変っているのに気がついた。彼は一種
兇暴の相をあらわして、その目は野獣の本性を露出したように凄まじく輝いていた。それ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
しながら、其の切なき胸を訴えているのである。普通の人から見れば、彼は野蛮である、
兇暴である、殆ど※の眷属である。が、彼は決して所謂悪人では無かった。彼が獰猛野獣....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
蒼褪めて、殺気を帯びた眼に私の心が寒くなりました。というのは、その美しい彼の顔に
兇暴な影をみとめたからでした。 次の瞬間、彼の自動車が疾風のように彼女の車を追....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
した。それは恰度綾子さんの場合によく似ています。 恋に負けた弟は軈て兄に対して
兇暴な態度を取るようになり、夫人を脅迫して武雄さんが生れたようなわけで、あの写真....