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兇漢
「兇漢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兇漢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
「止れ《ストップ》! 止れ《ストップ》!」 自動車の前に立ちふさがった数名の
兇漢《きょうかん》がある。 「また、出たかな」僕はつぶやいた。夫人はすばやく身を....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
物はないと思われる。黙って殺人をして引取っていったとすると、これは実に大胆不敵な
兇漢であるといわなければならない。妾を吃驚させるなんて――殺人者として妾の目の前....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
無念は之れ程でもなかったのでしょうが、殺された原因が、全く強盗の為であって、その
兇漢は罪も怨もない姉夫婦の命をなんの必要もないのに、不当に非道に、蹂み躪ったもの....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
火事とが連絡があるかないかと云う事が刑事間の論点になったらしい。 兎に角、ある
兇漢が男の方と格闘の上、枕許にあった皮むき庖丁で刺殺し、子供を連れて逃げ様とする....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
に登り、漸く傷けられた胸を少女の捧ぐる愛と、高山の霊気に癒した時に、彼は恐るべき
兇漢の為に、死の深淵に突き落されたのだ! が、然し、野村君、果して今の叔父は偽....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さるぐつわ》をはめられて、引転がされているところに、頬冠《ほおかむ》りした二人の
兇漢が、長いのを畳へつきさして、胡坐《あぐら》を組んで脅迫の体《てい》は、物の本....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》の主人の刀を持った金輪勇は、肝《きも》を潰《つぶ》してやみくもに逃げてしまう。
兇漢のうちの一人、すぐれて長い刀を持ったのが、吉村をほかの二人に任せて、姉小路少....
「地球要塞」より 著者:海野十三
欧弗同盟の元首ビスマーク将軍は、昨夜、会議からの帰途、ヒトラー街において、七名の
兇漢《きょうかん》に襲撃され、電磁弾《でんじだん》をなげつけられて将軍は重傷を負....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
左右の谷へ、わかれわかれに狩入ったのが、ものに隔てられ、巌に遮られ、樹に包まれ、
兇漢に襲われ、獣に脅かされ、魔に誘われなどして、日は暗し、……次第に路を隔てつつ....
「怪譚小説の話」より 著者:田中貢太郎
たところで、その細君は何時も花鈿を額へ垂らしていた。理を聞いてみると、三つの時に
兇漢に刺されて傷があるからだといった。 要するに六朝小説は支那文学の源泉で、そ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
。 そして今私は自分の仕事を等閑にしていることに気がついて来た。無鉄砲にもあの
兇漢どもと一緒に上陸したからには、いくら何でも自分の出来ることは彼等の相談を窃み....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
じゃないね。一人の人間の偶然の手落ちだとしか想像できないね、いいかね、或る一人の
兇漢が殺害を犯したとする。彼はたった一人で死人の亡霊と向いあってるのだ。……彼は....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
なる前科者にて、すでに偽名をもってこれまで二回殺人罪の下に無期懲役に処せられたる
兇漢の由。なお共犯者ジルベールの本名等判明するも遠きにあらざるべく、検事において....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
を殺すものの頸を、両のかいなでしっかと絞めて抱いたのを見た。その身は坂を上の方、
兇漢は下に居た。 (あ、) と一声、もっと刺せとか、それとも告別の意であったか....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
―、上られる身ではございませんので――」 応接室の硝子窓を破って闖入するほどの
兇漢にも似ず、その声は柔らかくいかにも優しい、しかもどうやら聞き覚えがあるように....