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「兇猛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兇猛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
のみ。 よしまた、「じゃぼ」の成り立は、さる事なりとするも、汝がこれを以て極悪兇猛の鬼物《きぶつ》となす条、甚《はなはだ》以て不審《ふしん》なり。その故は、わ....
」より 著者:芥川竜之介
も駈《か》けつけ、直ちに狼を銃殺した。この狼はルプス・ジガンティクスと称し、最も兇猛《きょうもう》な種属であると云う。なお宮城動物園主は狼の銃殺を不当とし、小田....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、とにかく、見え透いた芝居だけは、やめにしてもらいますかな。なんで、貴方のような兇猛無比――まるでケックスホルム擲弾兵みたいな方が。唱うに事欠いて惨めな牧歌とは....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
景を描いたりしようとは思っていない。ただしかし、実際の場所を知っている私は、この兇猛《きょうもう》な犯罪実話を書くにあたって、特殊の個人的|感興《かんきょう》を....
山想う心」より 著者:松濤明
へ向かわせる原動力だ。 華麗、陰惨、明快、幽邃《ゆうすい》、重厚、深遠、平和、兇猛……、山の美は選ぶ人の心により各様である。或る人は富士を佳い山といい、或る人....
黒猫」より 著者:島木健作
胴体に比べて恐ろしく太く且つ長い。それが少しも鈍重な感を与えぬばかりか、弾力ある兇猛な力を感じさせる。彼はこういう四肢をもって殆ど音もさせずに歩く。そしてその足....
「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
ノトールの丁度逆であって、また、ミノトール(牛頭人身)やサントール(人頭馬身)が兇猛な怪物であるに反し、「くだん」は一種の神性を帯びている。生れて三年間、飲まず....
耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
て、動かずに坐っていた。 『芳一!』と再び恐ろしい声が呼ばわった。ついで三度――兇猛な声で―― 『芳一』 芳一は石のように静かにしていた――すると苦情を云うよ....
株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ず不審に思い、疑いを起こしたり。すなわち部長はその男を尾行し、巡査の応援を得て、兇猛なる格闘の後彼を捕縛することに成功せり。大胆なる兇賊の犯罪を行いて来たりたる....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
深い睡眠に落ちたが、一人ホーキン氏は眠られなかった。考えられるのはジョンの事で、兇猛無残の土人のために殺されたことには疑がいないにしても、もしやどこかに活きては....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
宛てて書かれた最初の手紙は、アビシニアかアシャンティーにふさわしい狂暴な残忍さと兇猛さとをもってテムプル関門の上に曝されている首★に、窓越しに横目で見られる恐怖....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
言葉は兵馬に痛いもののように思われた。ブルッと一つ身顫いをしたが、噛みつきたげの兇猛の眼つきで、紋也の顔を見上げ見下ろした。 「なるほど」と突然に兵馬はいったが....
南国太平記」より 著者:直木三十五
もう、瞳は濁ってしまっていて、視点が乱れ、力も、光も無くなっていた。 今まで、兇猛な獣の眼のように光った眼であったが、眼が、その光を無くすると共に、脣も、鼻も....
グーセフ」より 著者:神西清
一番高くなろうとする。前に行く波に追いかぶさろうとする。また第三の波がやはり同じ兇猛な醜い姿をして、白い鬣を光らせてざわめき寄せる。 海には情けも分別もない。....
近頃感じたこと」より 著者:小川未明
るように見えたからでした。 昔、読んだスタンレーの探検記には、アフリカの蛮地で兇猛なあり群に襲われることが書いてあった。たしかに、猛獣に襲われるより怖しいこと....