兇相[語句情報] » 兇相

「兇相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兇相の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
易と手相」より 著者:菊池寛
。その友人は、手相を専門に研究していたが、ある日自分の掌に肉親に不幸があるという兇相が現われたのである。駭いて帰郷の支度をしているとき、彼自身が喀血して死んだと....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
うして乱文斜文をつくり、暗濁昏瞑に致しましょう。……四壁全く定まらず、眷族惨害の兇相に」 象牙の箆ででも擦るような、滑らかな音が聞こえて来た。 しばらく岩窟....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
われるような両眼が、軽く軟かく閉ざされている。棘のように高い鋭い鼻、それはむしろ兇相である。肩へかかった髪の黒さ! いや黒いのは髪ばかりではない。着ている衣裳も....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
の話を聞くとますます腹を立て口を尖らせて冷笑している。 この時アニキはたちまち兇相を現わし、大喝一声した。 「皆出て行け、気狂を見て何が面白い」 同時にわた....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
こで二人は走り出した。 往来の人が振り返る。さも不思議そうに二人を見る。一人は兇相の老人である。一人は無邪気な娘である、それが走って行くのである。不思議そうに....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ば年頃まだ三十に足らず、白蝋青隈の死相、ほつれ毛たれて耳朶に一点の血、生ける時の兇相よりは、むしろ美男に見えたくらいである。 髪は浪人たぶさに結っている。 「....
三国志」より 著者:吉川英治
しい戦いにもならず、といってこの地方が平穏にもならなかった。 いや、世の乱脈な兇相は、ひとりこの地方ばかりではない。土のある所、人間の住む所、血腥い風に吹き捲....
三国志」より 著者:吉川英治
うちに、陽はかげって、狂風砂を飛ばし、白波乱岸を搏って、天地は須史のまに、険しい兇相をあらわして来た。 「や、や。軍鼓の音ではないか」 「いや、波の音です。雲の....