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先が見える
「先が見える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先が見えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いてこいといってるんだよ。――ねえや、このおじさんは行者じゃねえが、千里も万里も
先が見える目玉が二つあるからな。きっと母《かあ》の居どころを見つけてやるぞ。泣か....
「ピムキン、でかした!」より 著者:宮本百合子
い波形歯のついたトラクターの大きい車輪の一部が浮いて見える。ピムキンのボロ長靴の
先が見える。 よっぽどたった。 ふいとピムキンが立ち上って、暗がりに消えた。....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ひょいと飛び越えて斜向うの別棟の入口へ姿を消す。白い広い裾の下に赤いスリッパアの
先が見えるのなど、病院らしい美しさがなくもない。そんな光景を伸子は永い間見ていた....
「楽しいソヴェトの子供」より 著者:宮本百合子
ろい中庭だ。春は花壇に綺麗な花が咲くが、まだ深い雪の中から、緑色の花壇の仕切りの
先が見えるだけだ。 この頃ミーチャは、いつもこの鳩のいる中庭で母さんと別れる。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
みて、 「どうも、近藤派の方が、人望があるようじゃ、芹沢は乱暴でいかん、近藤は目
先が見える、芹沢は人に嫌われる、近藤は人に怖れられる……ゆくゆく新撰組は近藤のも....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
神だ。私は自分で自分のことがわからない。あなたの長衣の下に、ちょっと靴《くつ》の
先が見えるだけでも、私はもう自分をとり失ってしまう。心の中にあることをあなたが少....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ける。歯並びのいい、例えば小粒の真珠のような歯の間から、ヒクヒクと動く小さな舌の
先が見える。酔眼朦朧たる加十の眼にもこれは実以て美事な眺めなのだ。
鶴子は加十....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
郎は、ゆるやかに、ゆるやかに、頭を上げる。長い裳裾の下から覗き出した金色の靴の爪
先が見える。気が遠くなるような一瞬だった。 竜太郎の胸は、大きく波打ち、心臓は....