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「先主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

先主の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
ないが、わが拇指《おやゆび》をかけて、ぎくりとやってしまった。指が離れる、途端に先主人《せんしゅじん》は潮下《しおしも》に流れて行ってしまい、竿はこちらに残りま....
朱日記」より 著者:泉鏡花
を据えて、天井を恐ろしげに視めながら、 「ものはあるげにござりまして……旧藩頃の先主人が、夜学の端に承わります。昔その唐の都の大道を、一時、その何でござりまして....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
行われた、法水との黙劇を忘れたかのように、語りはじめたものがあった。 「それは、先主が歿られてから間もなくのことで、去年の五月の初めでしたが、その夜は、ハイドン....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
可く無い前兆だろうよ。……どうも些藩政が弛み過ぎたからな」 時の藩主は宗春で、先主継友の末弟であり、奥州梁川から宗家に入り、七代の主人となったものであった。末....
丹下左膳」より 著者:林不忘
を経たのちに、いつの世からか神変夢想流剣道の指南、祖家の小野塚家の伝宝となって、先主鉄斎の代におよんで江戸あけぼのの里なる道場に安蔵され、年一度の大試合にのみ、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
すえて、柳生源三郎、憂鬱な蒼白い顔で、がんばっているんです。 忍耐くらべ……。先主司馬先生が萩乃の婿と決めただけで、公儀へお届けがすんだわけではない。源三郎は....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
店の者にも質し、人からも聞き、また自分でも周囲の事情に照して考えて見た。すると、先主人中村さんは商売にはなかなか熱心であった、お内儀さんもしっかりしていたと誰も....
興津弥五右衛門の遺書(初稿)」より 著者:森鴎外
候。某致仕候てより以来、当国|船岡山の西麓に形ばかりなる草庵を営み罷在候えども、先主人|松向寺殿御|逝去遊ばされて後、肥後国八代の城下を引払いたる興津の一家は、....
三国志」より 著者:吉川英治
夙にあなたの名を慕っていたが、お目にかかる折もなかったところ、ご承知のとおり呉の先主孫策のあとを継がれて、まだお若い孫権が当主に立たれた。こう申しては、我田引水....
三国志」より 著者:吉川英治
の間にあって、呉の発展は、あくまで文化的であり、内容の充実にあった。 何しろ、先主孫策のあとを継いで立った孫権は、まだ若かった。曹操より二十八も年下だし、玄徳....
三国志」より 著者:吉川英治
らでも、こんな挿話がひろく行われていたのを見てもわかる。 ――唐ノ頃、盗アリ、先主ノ墳ヲ発ク。盗数名。斉シク入リシニ、人アリ、燈下ニ対シテ碁ヲ囲ムモノ両人、側....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の要を読み上げた。 臣として心ならねど、 天下|静謐のため、 承久の例に倣って。先主後醍醐は、隠岐ノ島へ遷し奉るものとす。 おん付添いは、男、一条行房、千種忠顕....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ごとく、新田義貞の領地|上野へ急いでいたのであった。 長いあいだ、不遇に閉じ、先主の喪に閉じ、また時局をよそに閉じていたここの門も、今朝、八文字にひらかれた。....