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先夫
「先夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
かりに高く吊し上げた。 「このとおりでございますもの。稚市《ちごいち》のこれが、
先夫遺伝《テレゴニー》でさえなければ……。まさに
先夫遺伝《テレゴニー》なのでござ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きにも必ず一緒に連れて出る。そのほかには殆ど外出したことは無いから、恐らく浅草の
先夫をたずねたことはあるまいと云うのである。 「坊やはお福によく馴染んでいるので....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る。藤次郎は二十七歳で、これも女房におとどし死に別れて今は男やもめである。一方は
先夫と従弟《いとこ》同士、一方は
先夫の親しい友達というのであるから、その亡きあと....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
五年子十一月六日生る。明治二年牟田口重蔵に嫁す。同二十五年八月十日卒す。 (以上
先夫人の所生) ◇三女千代 明治四年未九月晦日生る。明治二十四年野中到に嫁す。 ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
のないということは、証文面にも書いてあるではないか」 女は密夫を作って、それを
先夫と詐るのであろうと、耿は一途に信じているので、彼女をその夫に引き渡すことを堅....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ころへ縁付いて来たのか」 「いえ、再婚でございます」と、丁は答えた。 「それでは
先夫の墓を発いて調べさせるから、そう思え」 姚は役人に命じて、韓氏が
先夫の棺を....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れる音がした――それが胎龍の妻柳江だった。 柳江は過去に名声を持つ女流歌人で、
先夫の梵語学者鍬辺来吉氏の歿後に、胎龍と再婚したのだった。恰好のいい針魚のような....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
子供が残されていた。 見合をした女の人も初婚ではなかった。初音サンという人だ。
先夫が病死して、子がなかったから、生家に戻っていた。まだ三十であった。すこぶるの....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ものが結婚を余儀なくせしめる理由になるなら、すでに結婚して何人も子供を生んでいる
先夫人の方が、より大きな厳粛な事実じゃないか。この女代議士は何を言うつもりなのだ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ら、駻馬と鼻をつきあわしているようで、そういう面くらった面白さはあった。 姉が
先夫のもとへ置き残してきた娘がセムシで、親というものを知らないミジメな暮しをして....
「露の答」より 著者:坂口安吾
われて、大いに悩んでおりました。 この女はお玉と言って、元は加茂家の女中です。
先夫人の死去と共に、いつとなく後妻のような位置に坐り、美人でもなければ才女でもな....
「地上」より 著者:島田清次郎
も児に対する深い洞察を伴った愛をも感じていなかった。彼女は一人の男を婿入させた。
先夫との間に出来た男の子が四つのとき、その嫁さんは父の異なった女の子を生んで、や....
「謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
した。 「せい子さんもこうなって見れば、定めし悲しいだろう。だが、これで、大原の
先夫人のうらみは晴れたかもしれん」と警部はしみじみ言った。 「どうして大原が性交....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
倒を見てもらえまいかと頼まれた。喜兵衛は納得して幸手へ行き、若後家の入夫となって
先夫の子を守育て、傾き掛った身代を首尾よく盛返した。その家は今でも連綿として栄え....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
で転々する浮薄漢ではなかったようだ。 沼南は本姓鈴木で、島田家の養子であった。
先夫人は養家の家附娘だともいうし養女だともいうが、ドチラにしても若い沼南が島田家....