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先妻
「先妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
を何人も社会的に殺していた。それから彼に一番親しい或年輩の骨董屋《こっとうや》は
先妻の娘に通じていた。それから或弁護士は供託金を費消していた。それから或|篆刻家....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
も、お律《りつ》の腹を痛めないお絹が、一番叔母には気に入りらしい。それには賢造の
先妻が、叔母の身内《みうち》だと云う理由もある。――洋一は誰かに聞かされた、そん....
「或る女」より 著者:有島武郎
某大汽船会社船中の大怪事
事務長と婦人船客との道ならぬ恋――
船客は木部孤※の
先妻
こういう大業《おおぎょう》な標題がまず葉子の目を小痛《こいた》く射つけ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
、「身の上話」をはじめた。 彼女は大津の料理屋で仲居をしていたが、一昨年社長の
先妻が死んだ後釜にはいった。むろん浮いた仲ではない。仲人の口利きで、ちゃんとした....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
秋ごろにお嫁に来たんだそうですが、その人は二度添いで、今年|三歳《みっつ》になる
先妻の子供があるんです。きのうの夕方、その子供をつれて八郎兵衛新田にいる親類の家....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りしているという噂です。主人の久兵衛は五十ぐらい、女房のお大は後妻で三十四、五、
先妻にも後妻にも子がないので、主人の甥の清七を養子に貰って、二十二の年まで育てて....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ぐいが入り込んで、みだりに禍福をほしいままにするのであろう。 繍鸞 父の
先妻の張夫人に繍鸞という侍女があった。 ある月夜に、夫人が堂の階段に立って繍鸞....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。」 「否、どれも実子ではないでございます。」 「ままッ児ですか。」 「三人とも
先妻が産みました。この
先妻についても、まず、一くさりのお話はあるでございますが、....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
きまった上で、伯父、母、伸、足下等が集って、判然たる処置をきめて貰いたい。山田は
先妻の親戚としてこの相談に直接に与かることを憚るだろうが、右言うようなことなら勿....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
与助が怖い眼をして睨んだそうです。それが遠いむかしに与助を負って身を投げた相原の
先妻の顔にそっくりであったので、五兵衛も思わず身の毛がよだって、なんにも取らずに....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
云えば、どうして不幸どころではなかったのである。 二十年前|情なく振り捨てた、
先妻の衣川暁子も、その劇団と共に迎えてくれたのだし、当時は襁褓の中にいた一人娘も....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
て、一匹仔犬を世話をしようかというと、苦々しい顔をして、「イヤ、貰う気はしない、
先妻が死んで日柄が経たない中に、どんな美人があるからッて後妻を貰う気になれるかい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
町、東片町としばしば転居した。皆川町から飯田町時代は児供が二人となった上に細君(
先妻)の妹を二人までも引取り、両親にも仕送っていたから、家計は常に不足がちであっ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、主人は大層良くしてくれますので有難い幸福なことだと思っております。しかし、前の
先妻の遺して行かれた娘さんが一人、どうにも私に懐かないのでございます」 「ふーむ....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
福なんだろうと思って、祝福していた位ですもの、そのかたとは?」 「死別しました。
先妻の息子が相続人だったので、私は離婚して川島と再婚しました」 「それで、――あ....