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先年
「先年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
無際限にあった。 人間に対する用意は、まず畳を上げて、襖障子諸財一切の始末を、
先年大水の標準によって、処理し終った。並の席より尺余床を高くして置いた一室と離屋....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
え。」 「可哀相に。」 と苦笑いをすると、お妙は真顔で、 「だって、主税さん、
先年私の誕生日に、お酒に酔って唄ったじゃありませんか。貴下は、浅くとも清き流れの....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の概念に関する哲学上並びに科学上の原理の比較/観念の自然淘汰 訳者付記 人名索引
先年私がスウェーデンの読者界のために著した一書『宇宙の成立』(〔Va:rldar....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
らば君は天性冷淡な人かとみれば、またけっしてそうでないことを僕は知っている。君は
先年長男子を失うたときには、ほとんど狂せんばかりに悲嘆したことを僕は知っている。....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
おちつけて油単の包をあらためて肩にかけながら、「私は越前福井の者でござりまするが
先年二人の親に死に別れてしまったのでこの様な姿になりましたけれ共それがもうよっぽ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
刑期を送らなければならないようになった。が、いっこう、それが苦にならないらしい。
先年、中風の老爺を「あの世」へ送ってからは、全く彼は呑気に、のそりのそりと牛のよ....
「画道と女性」より 著者:上村松園
年末までには戻って来るはずになっている二曲片双の屏風を思い浮かべました。それは、
先年聖徳太子奉讃展覧会に出陳した、「娘」と題する徳川中期頃の町娘二人を描いたもの....
「四条通附近」より 著者:上村松園
頃はどちらかというと、江戸時代の面影が半ば残っていて一入なつかしいものがあった。
先年(昭和九年)帝展に出した「母子」は、あの頃への思い出を描いたものであるが、い....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
縁日 柳行李 橋ぞろえ 題目船 衣の雫 浅緑 記念ながら 縁日 一
先年|尾上家の養子で橘之助といった名題|俳優が、年紀二十有五に満たず、肺を煩い、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
場所に存在せる妖怪の霊を呼びて、その装置の場所に招くの意をあらわすものなり。余、
先年、豆州にありて聞くところによるに、同国下田港近辺は日本全国中最初に流行し、当....
「妖怪談」より 著者:井上円了
ましても、話を頼むということになると、どうか妖怪の談をしてもらいたいと申します。
先年のことであります。私がある所へ参りました。その要件というのは、すなわち哲学館....
「迷信解」より 著者:井上円了
申しておる。これらは最も単純なる方なれども、中には複雑なる話がある。すなわち、「
先年、尾州中島郡にて堀田某氏がある家の座敷より望むに、日中農夫の糞桶を担ぎ、ひし....
「西航日録」より 著者:井上円了
ーヨークと称するも可ならん。されど城内の不潔にいたりては、実に言語道断なり。余、
先年ここに遊び、彼我両国を比較して、「シナ人の心は黄河とともに濁り、日本人の心は....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ならず、トランスバール州に通ずる関門なり。その国境まで三百七マイルにして、中間、
先年の戦地多し。ナタール州の首府ピーターマリッツバーグは、ダーバンより七十マイル....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
てしまった。私に見込まれたこの人買いの男、阪大佐太郎は、新潟県の生まれであった。
先年、妻を連れて新潟県まで行き、身寄りの人でもいればお礼の一つでも――と思ったが....