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先手
「先手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
やはり手痛い逆撃《さかう》ちをくらわせられた。たかが青侍の腕だてと思い侮っていた
先手《せんて》の何人かも、算を乱しながら、背《そびら》を見せる――中でも、臆病《....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ルデン・バットを銜《くわ》えたまま、Kの言葉に取り合わなかった。のみならず時々は
先手《せんて》を打ってKの鋒先《ほこさき》を挫《くじ》きなどした。
「革命とはつ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
「まだ早すぎる。確乎たる報告が集らぬではないか」 「閣下。例の怪放送者は、すでに
先手を打って、敵機の退散をアナウンスして居ります。況んや、唯今、川口町の報告によ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
課長をグルッと取巻いてしまった。 「五分間厳守! あとは云わんぞ」 と、課長は
先手をうった。 「すると本庁では事件を猛烈に重大視しているのですネ」 と、早速....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
る事件探査の異常な発展振りを、簡単にかいつまんで説明した。すると司法主任は、 「
先手を打たれたわけですな。いや、結構です。じゃあひとつ、その秤の実験に立会わして....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ですね。それを聞いたので、私たちもこれから、あっちに出かけるところだが、あなたに
先手をうたれたわけですね。それで、何かへんな噂を聞かなかったですか」
「ああ聞き....
「古狢」より 著者:泉鏡花
なって、鹿落の旅館の、その三つ並んだ真中の厠は、取壊して今はない筈だ、と言って、
先手に、もう知っている。…… はてな、そういえば、朝また、ようをたした時は、こ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ね。」 夫人は分別くさい腕組みをして娘を見下ろした。新吉は夫人に気取られる前に
先手に出て娘に言った。 ――もしよかったら僕達と今日一緒に遊んで歩かないか。勿論....
「良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
本的に直すのが愛である。一たい短気な人は速力が気に入るのだから何でも手っ取り早く
先手を打って、先に望むことをしてやれば悦ぶものだ。 痼疾のあるのは別だが、そう....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
交霊を差控えるがよい。同様に肉体が食物で充填し切って居る時も、兎角下級霊の為めに
先手を打たれ勝ちで甚だ困る。かの物理的心霊現象でさえもが、そうした場合に起るのは....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
ろう。 わたしは食人者を呪う。まず彼から発起して食人の人達を勧誘し、また彼から
先手をつける。 八 実際この種の道理は今になってみると、彼等も....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
「あなたの子供達にこれだけの規則違犯があるのですよ。」 警視長官は笑いながら
先手を打って唄うたいの反則事件の調書を見せようとした。ドュフランはそれをまあまあ....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ら指示した。 中間の市助は艫の方に控えながら。 「宗匠、後ばかり見ねえで、まア
先手の川上をお見なせえ。羽田の漁師町も川の方から見ると綺麗だ。それに餓鬼どもが飛....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
ことが出来なかった。彼は自分の手も足も出せない不器用さが口惜しかった。ワルトンに
先手を次ぎ次ぎに打たれて勢いジョーンは退嬰的にばかりなった。三人で散歩するにも活....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
」 「本家ツて――どこの」 「あなたの家の――」 ほかならぬ兄の源太郎が、もう
先手を打つていると聞いて、源治は顔をかげらせた。源太郎の家では、長男が早くから樺....