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先手を打つ
「先手を打つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先手を打つの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
ならなかった。それは本当に彼の感じた通りの言葉であった。同時にお延の批判に対して
先手を打つという点で、自分と父の言訳にもなった。
「で今月はどうするの。ただでさ....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
いた手をナッパの尻にぬぐって、 ――「紙」は? と、訊いた。 ――朝すぐ。
先手を打つ必要がある。 旋盤や平鑿盤や穿削機についている仲間が、笑いをニヤ/\....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のではない、それには互いに抜き合って身構えてからではおそい。抜き打ちに斬りつけて
先手を打つのが肝要だとは、日ごろ親から言われていた少年のことだ。居合の心得は充分....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
早くも、彼がその小説について何か不満足な点を思い出していると感じたので、すばやく
先手を打つつもりで切りだした。
「何も、これはあの小説には限らないけれども、いつ....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
も生捕りにしてくれる。曲馬場の時はこっちが夢中になっていたから縮尻ったが、今度は
先手を打つのだから間違いはない。それから二人の眼の前で志免に電話をかけて帝国ホテ....
「華々しき一族」より 著者:森本薫
目に見過ぎているのかね。お前達の行動は実に不可解だ。不可解極まる。まるで、相手の
先手を打つことばかりに苦心しているようじゃないか。 未納 妾達不真面目じゃないわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
―所望と打出された以上は、相手が相手だけに、どうしても只では済まされない、ここは
先手を打つよりほかはないと、老巧なる細川三斎は、政宗と王羲之《おうぎし》とをすっ....
「魔像」より 著者:林不忘
庵が、変に口をモゴモゴさせて何かお礼のことを仄《ほの》めかしそうだから、山城守は
先手を打つ気で、 「わかっておる。わかっておるぞ。其方《そのほう》からも前まえ頼....
「ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
見ていた。 姉も亦、姉自身の嘘を苦にやんでいた。姉は見舞客の嘘に悩んで、彼等の
先手を打つように姉自身嘘ばかりむしろ騒がしく吐きちらした。それは白い蚊帳だった。....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
」 「本家ツて――どこの」 「あなたの家の――」 ほかならぬ兄の源太郎が、もう
先手を打つていると聞いて、源治は顔をかげらせた。源太郎の家では、長男が早くから樺....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
それでよかった。うッかり先生が知らずに行ったりなどしたら、武蔵が気取って、どんな
先手を打つかもしれねえ」 「なんの、武蔵如きを、そう恐れるには当らん。――だが、....