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先着
「先着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
いに気持もよく、またもやスタコラ走って漸《ようや》く雲巌寺の山門に着いてみると、
先着の面々は丸裸となり、山門前を流るる渓流で水泳などをやっている。元気驚くべし!....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
今のあの市毛の旦那様じゃござんせんよ。そもそものお頼み手は、あの時うちの旦那様と
先着を争ってでござりました、あの八条流の黒住団七様でござりまするよ」 「なにッ!....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
その下に二隻ばかりの小汽艇が横づけになっていた。ドレゴはその外側に艇をつけさせ、
先着の小汽艇を越えて舷梯の下へとりついた。 舷梯を登ろうとすると、なかから数人....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
卑しくしないにせよ、体を卑しくしたその事の恥ずべきは少しも減ずる訳ではないのだ。
先着の伴牛はしきりに友を呼んで鳴いている。わが引いている牛もそれに応じて一声高く....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
溜らないと思って、猛烈なスピードで車を飛ばした。 キャバレーには雁金検事が既に
先着していて、埃の白く積ったソファに腰を下ろし、盛んに「朝日」の吸殻を製造してい....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
構内照明燈の光にキッカリ四時十分を指していた。明るいガランとした本屋のホームで、
先着の内木司法主任と警察医の出迎えを受けた私達は、貨物|積卸ホームを突切って直に....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
で箱根口から引返して、そこの停車場で一行を待ちうけていた。 両方の停車場には、
先着の警官達が二手に分れて監視していた。大月氏は、警部補を見ると直ぐに口を切った....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
その要害のよい門のそばを堅めていた。半蔵らは門内に敷いてある米石を踏んで行って、
先着の旅行者たちが取り調べの済むまで待った。由緒のある婦人の旅かと見えて、門内に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の辺には一人の敵の踏みとどまるものもなかった。 合図の空砲の音と共に、浪士らの
先着隊が下諏訪にはいったころは夜も深かった。敗退した諏訪松本両勢は高島城の方角を....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
げんの一番目の弟の宗太も、その頃は東京で、これもお玉の旦那と二人で急いで来たが、
先着の親戚と一緒になる頃はやがて十一時過ぎであった。 「もう遅いから子供はお帰り....
「私の小説」より 著者:坂口安吾
は訝しげに目をまるくして、そんなのはゐません、といふ。私は、また、ギョッとした。
先着順に二つだけ書くことにして、二つ目がこの原稿なのだが、書きたくないからと断つ....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
も自然、バカ聟をからかってやれ、という気持が強くなった。 道三は富田の正徳寺へ
先着し、わざと古老の威儀いかめしいオヤジどもの侍ばっかり七八百人、いずれも高々と....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
うして、一行は箱根|底倉の明暗荘へ落ちつく。ここには昨日のうちに業務部の若い男が
先着して、部屋も用意し、白米一俵と清酒一樽を取り揃えて待っていた。半平が正宗菊松....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ところへ、アンマサンの代りに写真屋サンが一足先に到着した次第であるから、アンマの
先着者のために顔など洗うわけには参らん。しかし、アンマの方がおくれたために、アン....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
はないかと、うしろから呼ばわった。誰かと思えば鈴木か、おくれて参ってなに申すと、
先着の釣り士がやり返したのであった。 『たとえ、おくれて参ったからとて、ひとの釣....