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先祖伝来
「先祖伝来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先祖伝来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
鹿気たものである。しかるに、盆踊りは野蛮の遺風だとかなんとかいって、一も二もなく
先祖伝来の盆踊りを禁止し、他《た》に楽み少なき農民の娯楽を奪い去るとは、当世の役....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
方にも迷っているのを、外記が救いの手をひろげて庇《かば》ってくれた。そのおかげで
先祖伝来の小さい田畑も人手に渡さずに取り留めて、十吉がともかくも一人前の男になる....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
レゴ君を登場せしめることが最も効果的であろう。 ドレゴ記者はオルタ町の郊外に、
先祖伝来の家を持っていた。もちろん土地の旧家であって、農業や牧畜や交通について、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たと云うことです。その由来は存じませんが、先祖代々伝わっているのだそうです」 「
先祖伝来はともかくも、好んでそんな物をさすと云うのは、よっぽどの物好きだね」 「....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
とにいよいよ白く横たわっているばかりである。この頽れた建物の下には、おじいさんが
先祖伝来と誇っていた古い掛時計も埋められているかも知れない。若い娘の美しい嫁入衣....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
。年の若い彼はその笛をかかえて屋敷を出奔した。一管の笛に対する執着のために、彼は
先祖伝来の家禄を捨てたのである。 むかしと違って、そのころの諸大名はいずれも内....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
地なのである。 であるのに、人間は、永久に縛られていたいものである。あまり永く
先祖伝来の何物かで縛りつづけられて来たわれわれは、さア思う存分の自由を与えてやる....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
ていた。野良仕事にも、夜なべにも昔日のように精が出なくなった。 債鬼のために、
先祖伝来の田地を取られた時にも、おしかはもう愚痴をこぼさなかった。清三は卒業後、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
完了したように、かえって非常に気楽になった。それにまた「すぐ忘れてしまう」という
先祖伝来の宝物が利き目をあらわし、ぶらぶら歩いて酒屋の門口まで来た時にはもうすこ....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
の下にいよいよ白く横わっているばかりである。この頽れた建物の下には、おじいさんが
先祖伝来と誇っていた古い掛時計も埋められているかも知れない。若い娘の美しい嫁入衣....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
といった。 「まず以って神妙の覚悟だ」と、播磨はうなずいた。「青山の家に取っては
先祖伝来大切の宝ではあるが、疎匆とあれば深く咎める訳にはまいるまい。以後はきっと....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ったせいもあろうが、土着の浦上町民の大多数が死亡したせいもあろう。土着民の多くは
先祖伝来の切支丹で、昭和二十年に一万余名という浦上切支丹のうち、原子バクダンの一....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
見当がつかないけれども、とにかく私は蒙古までつながりうるものと考え、正月十五日に
先祖伝来の祭事があるのではないかと考えたのだ。そして、それを旧の正月十五日と考え....
「変身」より 著者:カフカフランツ
うようでは、そうとでも考えなければほかに説明のしようがなかった。彼はほんとうに、
先祖伝来の家具をいかにも気持よく置いているこの暖かい部屋を洞窟に変えるつもりなの....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
には瓶や缶が隅々に並べてある。
色々の器械が所狭きまで詰め込んである。
お負けに
先祖伝来の家具までが入れてある。
やれやれ。これが貴様の世界だ。これが世界と云わ....