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「先考〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

先考の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
えていて、保さんは二十八歳で恃を喪ったのだから、二十六年の久しい間、慈母の口から先考の平生を聞くことを得たのである。 抽斎は保さんを学医にしようと思っていたと....
稚子法師」より 著者:国枝史郎
段と立ち勝って見えた。 蘇門ほどではなかったけれど、新主も賢明の人物であった。先考の愛臣というところから自然主水へ眼をかけた。従って同僚には嫉妬された。 「稚....
興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
こがれ行らん」と申す歌の心にて、柴舟と銘し、御珍蔵なされ候由に候。 某つらつら先考御当家に奉仕候てより以来の事を思うに、父兄ことごとく出格の御引立を蒙りしは言....
予言」より 著者:久生十蘭
絵ばかり描いていた。 二十歳になって安部が襲爵した朝、それだけは手放さなかった先考《せんこう》の華族大礼服を着こみ、掛けるものがないのでお飯櫃《はち》に腰をか....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
紙』に和泉町四方の滝水一升二百文なり。鎌倉河岸豊島屋の剣菱同二百八十文なり。予が先考は、酒を嗜みたれど剣菱を用いて、その薄色辛口というを常の飲料とせり。その次は....
梅雨晴」より 著者:永井荷風
送った後、飯田町《いいだまち》三丁目|黐《もち》の木|坂《ざか》下《した》向側の先考|如苞翁《じょほうおう》の家から毎日のように一番町なるわたしの家へ遊びに来た....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に難くない。 これより先、慶長十五年に幽斎が七十七歳の高齢で歿した時も、三斎は先考のために一寺を豊前に建立して、沢庵に住持たらんことを懇請している。尤もこれは....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
元来為永式教訓物であるから、寧ろ其所に特色もあるのであろう。 私は此書物をただ先考遺愛の書というような意味で保存して居たが、其後|斯道の専門家たる新村出博士の....