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先見
「先見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
山陽はそれを実行しようかと思ったけれども、実行することができなかった。山陽ほどの
先見のない人はそれを実行しようとして戦場の露と消えてしまったに相違ない。しかし山....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
っぱり玄人側の方がいつも出掛けて裁判の成行きと云うようなものになれの素人よりは、
先見の明ったようなものが出来てますので、勝が多い――図に乗って、だんだん病が深入....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
た。おそらく、ルグランのすべての突飛な振舞いのなかには、なにかあるもの――なにか
先見とか熟慮とかいったような様子――があって、それが私の心を動かしたのであろう。....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
にあらず、吼立る天津風、山山鳴動して峰の雪、梢の雪、谷の雪、一斉に舞立つ折は一寸
先見え難く、瞬間に路を埋め、脛を埋め、鼻の孔まで粉雪吹込んで水に溺れしよりまだ/....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
松さんは、熊野へ参ると、髪|結うて、 熊野の道で日が暮れて、 あと見りゃ怖しい、
先見りゃこわい。 先の河原で宿取ろか、跡の河原で宿取ろか。 さきの河原で宿取って....
「火の扉」より 著者:岸田国士
。もと/\自分を自分だけにみせたがらない多くの連中は、むやみやたらに憤慨したり、
先見の明を誇つたり、罪もない上役にたてついたりしてみせた。が、それらのものは例外....
「光は影を」より 著者:岸田国士
つた時、最後の別れを告げるために、彼女を訪れた。 「ねえ、小萩さん、僕はやつぱり
先見の明がありましたよ。二人はこれだけ親しい友達になつていて、友達という一線を超....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
りであろう。」と。 ファラデーの名声がますます高くなるだろうと書いたチンダルの
先見は的中した。しかし、チンダルはファラデーの最大の発見を一つ見落しておったして....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
あったり、あるいは強くて情深くて侠気があって、美男で智恵があって、学問があって、
先見の明があって、そして神明の加護があって、危険の時にはきっと助かるというような....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
りに、実に立派な大東京になったから。いまでは世界第三位の大都市さ。さすがに閣下は
先見の明があったよ。実にえらかった。総理大臣にはならなかったが、総理以上の総理の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
入交って、腕力沙汰は、おい、何事じゃい。 双方聞合せて、仔細が分ると、仕手方の
先見|明なり、杖の差配さえ取上げそうもないことを、いかんぞ洋刀が頷くべき。 各....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
れで極ったといったそうですが、それはつまりシャーターのために殺されるということを
先見したので、不幸にしてその予言の当ったのはいかにも気の毒である。とにかくこの人....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
が十九世紀のために十分考えたように、今日の世紀のために十分考えた。そして、首領が
先見しなかったことは存在の理由がないことになるのだ。 これが革命家という名を僭....
「俗臭」より 著者:織田作之助
だからだ。案の条、間もなく、電球には白金に代るべき金属が使用されることになった。
先見の明ともいう可きだ。もう一つの
先見の明は、欧洲大戦が起って、銅、鉄、真鍮など....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て、夫がぐらりと揺いで一行をひやひやさせるようなこともあるにはあったが。長次郎は
先見の謬らなかったことを口に出しては言わないが、温厚な彼の顔にも得意の色が漂うて....