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「先頃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

先頃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
先頃|大殿様《おおとのさま》御一代中で、一番|人目《ひとめ》を駭《おどろ》かせた....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
れほどまでに、天下を欺き了《おお》せるのは、よくよくの事でなければ出来ますまい。先頃|天野弥左衛門《あまのやざえもん》様が、沈勇だと御賞美になったのも、至極道理....
忠義」より 著者:芥川竜之介
うに前島林右衛門の安否を訊ねた。すると、修理は急に額を暗くして、「林右衛門めは、先頃《さきごろ》、手前屋敷を駈落《かけお》ち致してござる。」と云う。林右衛門が、....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
な人物に関して、嘗《かつ》て自分が懐《いだ》いていた二つの疑問を挙げ、その疑問が先頃偶然自分の手で発見された古文書《こもんじょ》によって、二つながら解決された事....
婦系図」より 著者:泉鏡花
へ行って餅を食べて茶を喫んで帰った事もあったんですが、それがいいめを見せたんで、先頃からまたどッと褥に着いて、今は断念めた処から、貴女を見たい、一目逢いたいと、....
深夜の市長」より 著者:海野十三
傍へ寄ったが、途端にこれは卑怯だなと気がついて、辛うじて思い停った。そういえば、先頃、マスミは日比谷公園で動坂の自動車にノコノコ乗りこんだりしたが、それから考え....
振動魔」より 著者:海野十三
のだった。 それから、満二ヶ年の歳月が流れて、公判のあとに公判が追いかけ、遂に先頃、大審院の判決もすんで、ここに一切の訟訴手続きが閉鎖されることになった。それ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
なるようなことが全く判らないのです。警部は、犯罪捜査に当る者の直感から、またつい先頃の笛吹川画伯の頓死事件と本件とを照し合わせた結果、兄の死は充分、他殺であると....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
は又別な意味で、客たちの人気を博していた。 しかし満れば虧くるの比喩に洩れず、先頃から君江の相貌がすこし変ってきた。金青年に喰ってかかるような狂態さえ、人目に....
三人の双生児」より 著者:海野十三
から、蛇使いのお八重という女を知っているかと尋ねた。 「ああお八重かネ。あいつも先頃までいたが、可哀想なことをしたよ」 「可哀想なことというと……」 「なに、あ....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
あるが、近頃この鬼仏洞を見物する連中が殖え、評判が高くなってきたのはいいとして、先頃以来この洞内で、不慮の奇怪な人死がちょいちょいあったという妙な噂もあるので、....
活動写真」より 著者:淡島寒月
った今日の我々のレッスンとして、必らず見ておかなければならないものであると思う。先頃キネマ倶楽部で上場されたチェーラル・シンワーラーの「ジャンダーク」は大評判の....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
某君兄弟数人はいずれもわたしの中学時代の友達で、久しく別れているうち便りも途絶えがちになった。先頃ふと大病に罹った者があると聞いて、故郷に帰る途中立寄ってみるとわずかに一人に....
出来上った人」より 著者:芥川竜之介
後この点に最も感心したのみならずこの点に感心したことを少からず幸福に思っている。先頃「高麗の花」を評した時に詩人室生犀星には言い及んだから、今度は聊か友人――と....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
今の女子学院の前身の桜井女学校に聘されて文学を講述したのもこの時代であった。ツイ先頃|欧羅巴から帰朝する早々|脳栓塞で急死した著名の英語学者|長谷川喜多子女史や....