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先駆け
「先駆け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
先駆けの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原の乱」より 著者:菊池寛
を聴いて戦え」と云う軍令も今は無駄になった。信綱即ち、直ちに全軍に進撃を命じた。
先駆けを試みた鍋島勢を目付して居るのは榊原職充であるが、総攻撃令近づくや先登した....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ゆえ、今の二人も慌てて早馬飛ばしましたあたりから察しまするに、御陣屋の容子探りに
先駆けしたに相違ござりませぬ」 「なるほどのう、それで分った。それで分った。漸く....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
だために前よりも不幸になった人間も多数にありはするが、それは物質科学の方面だけが
先駆けをしてほんとうの社会科学、現在のいわゆる社会科学よりももう少し科学的な社会....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
にも侠気があって、仲々そうはさせて置かなかった。禿げちょろの黒の服を着けた男が真
先駆けに砦の裂目を攀じ登って、自分の分捕品を持ち出した。それは量高の物ではなかっ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
せる絶体エネルギーに帰してしまったのである。そして私も早晩そうなると思うと、彼が
先駆けしたのを羨しくも思った。そんな事で今度はさほど悲しみの感じも長く跡へは残ら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
負担でしょうと察します。悲喜劇です。同じ儲けるにしろI・Tのように出版インフレの
先駆けをやって良心なんかてんでもち合わさない儲けかたをして、安気に理想たる芝生の....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
あるいは条約を破らんとし、あるいは師《いくさ》を起こさんとし、はなはだしきは一騎
先駆け、自刃を携えて飛び出すなどの挙動に及ぶことあらば、国の政《まつりごと》は一....
「寒桜の話」より 著者:牧野富太郎
桜の名がある。彼岸ザクラに先だち、すなわち二月には花がさくので、ふつうのサクラの
先駆けをする。しかし東京では寒気のためにその花弁が往々傷められがちであるが、駿州....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
をひねってタヌの様子をうかがうところ、どうやらこれは並々ならぬ災難の前兆、悪運の
先駆けと思わざるを得ないというのは、粗《あら》い毛織りの服を着たタヌの胸が優しげ....
「三国志」より 著者:吉川英治
出た。 孫堅は、長男の孫策が、すでに夜の明けないうち、十艘ばかり兵船を率いて、
先駆けしたと聞いて、「頼もしいやつ」と、口には大いにその健気さを賞したが、心には....
「三国志」より 著者:吉川英治
って、大局を過るおそれはありませんか」 と、注意した。そして自分も彼らとともに
先駆けせんと願ったが、 「そちは、予に従って、兵糧運輸のほうを司れ」 と、ほか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
軍の大将、各隊の部将、木の葉のように駈けちらかった。 朝がたには、宇都宮公綱の
先駆けを、なすがままさせておいて、それみたかと心で囃していた者どもなのだ。そのて....