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光らす
「光らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
光らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
持ち主は、あんまの座頭だなといってるんだよ」 「たまらねえな! ピカピカッと目を
光らすと、もうこれだからな。しかし、どこにもこの持ち主が座頭だなんてことは書いて....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
よげなことを、ずばりといいました。 「なんでえ。おれがピカピカッと二、三べん目を
光らすと、じきにもうネタが上がっちまうんだからな。われながらちっとあっけなさすぎ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たものでしたから、なんじょう右門ののがすべき、ただちに烱々《けいけい》とまなこを
光らすと、まをおかないで質問が黙山のところに飛んでいきました。 「そなたひのき稲....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
って、目のさめるような江戸紫のね――」 「なにッ」 がぜん、きらりとばかり目を
光らすと、むっくり起き上がっていったものです。 「どうやら、聞きずてならねえ色だ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
軍家の耳目となり、大名旗本の行状素行にわたる事から、公儀お政治向き百般の事に目を
光らす目付見張りの監察の役目でした。その四人の中でも溝口豊後守と言えば、世にきこ....
「陸判」より 著者:田中貢太郎
て待っていた。初更の比になって陸が来た。赤い髯を動かし、目を電のようにきらきらと
光らすので、皆が恐れて魂のぬけた人のようになり、歯の根もあわずに顫えていたが、座....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
滴の露に宿るを厭わぬ爾朝日!
須臾の命を小枝に托するはかない水の一雫、其露を玉と
光らす爾大日輪!
「爾の子、爾の栄を現わさん為に、爾の子の栄を顕わし玉え」
の....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
う側の茶店の新姐に、この小兀を見せるのが辛かったよ。」 と燈に向けて、てらりと
光らす。 「ほほ、ほほ。」 「あはは。」 で捻平も打笑うと、……この機会に誘わ....
「一九二七年春より」より 著者:宮本百合子
日向の庇に切干や薪干してあり。 山村春雪。 懐しき風景 鮎でも背を
光らすように 小さく時々白波たてて 走る川水 田の中にも立木という風にあり....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
寄居虫で釣る小鰒ほどには、こんな伯父さんに馴染のない、人馴れぬ里の児は、目を
光らすのみ、返事はしないが、年紀上なのが、艪の手を止めつつ、けろりで、合点の目色....
「地上」より 著者:島田清次郎
る精神が感じられた。お芳やお玉が用もないのに絶えず出入するのだ。そして監視の眼を
光らすのだ。その光らせる源には「天野」がいる! ああ、何んという孤独! また淋....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
わりて怯かす。時雨しとしとと降りける夜、また出掛けて、ううと唸って牙を剥き、眼を
光らす。媼しずかに顧みて、 やれ、虎狼より漏るが恐しや。 と呟きぬ。雨は柿の....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
上。撫子の花を踏んで立つと、長火鉢の前、障子の際に、投出されたという形。目ばかり
光らす愛吉を、花やかに顧みて、 「鎮西八郎、為ちゃん。」 「や、」 「曾我五郎、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
きり、戸の外には人の跫音らしい気配がしたのである。 「おやっ?」 お杉が、眼を
光らすと、お通はもう起ちかけていた。――途端に次の物音は、絶叫だった、人間の発し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
もお姿が見えぬと騒ぎおりましたゆえ、役儀上、伺ってみたまでで、決して、監視の眼を
光らすなどの悪意でではさらさらございませぬ」 「では、この身をさがしていやったの....