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光沢
「光沢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
光沢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
れは当時、マッキンレイと云う新形の靴が流行《はや》ったのに、この男の靴は、一体に
光沢《つや》を失って、その上先の方がぱっくり口を開《あ》いていたからである。
「....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
彼の手を離れている。………
保吉は人のこみ合ったプラットフォオムを歩きながら、
光沢《こうたく》の美しいシルク・ハットをありありと目の前に髣髴《ほうふつ》した。....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
衰えていると云う事だった。実際今の袈裟は、もう三年前の袈裟ではない。皮膚は一体に
光沢《つや》を失って、目のまわりにはうす黒く暈《かさ》のようなものが輪どっている....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
くともなく動いてゆく柳の葉のように青い川の水になって、なめらかなガラス板のような
光沢のある、どことなく LIFELIKE な湖水の水に変わるまで、水は松江を縦横....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
浮んで見える。と思うと先生の禿げ頭も、下げる度に見事な赤銅色《しゃくどういろ》の
光沢を帯びて、いよいよ駝鳥《だちょう》の卵らしい。
が、この気の毒な光景も、当....
「女体」より 著者:芥川竜之介
いるだけである。まして光をうけている部分は、融けるような鼈甲色《べっこういろ》の
光沢を帯びて、どこの山脈にも見られない、美しい弓なりの曲線を、遥《はるか》な天際....
「女」より 著者:芥川竜之介
りつめると、今度はその莟と枝との間に休みない往来を続けだした。と同時にまっ白な、
光沢のある無数の糸が、半ばその素枯《すが》れた莟をからんで、だんだん枝の先へまつ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
てやる。鼠は慣れていると見えて、ちょこちょこ、舞台の上を歩きながら、絹糸のように
光沢《つや》のある尻尾を、二三度ものものしく動かして、ちょいと後足《あとあし》だ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
す。」と、真向からきめつけると、相手は相不変《あいかわらず》手を組んだまま、悪く
光沢《つや》のある頬をにやりとやって、「では男にはの。」と、嘯《うそぶ》くように....
「百合」より 著者:芥川竜之介
畦を覗《のぞ》きこんだ。そこには金三の云った通り、赤い葉を巻いた百合の芽が二本、
光沢《つや》の好《い》い頭を尖《とが》らせていた。彼は話には聞いていても、現在こ....
「或る女」より 著者:有島武郎
みを持ち出して来た。汽車は徐々に進行をゆるめていた。やや荒れ始めた三十男の皮膚の
光沢《つや》は、神経的な青年の蒼白《あおじろ》い膚の色となって、黒く光った軟《や....
「星座」より 著者:有島武郎
の品物だけれども、大事に取り扱われているためか、その瑠璃色の部分が透明で、美しい
光沢を持っていた。骨を入れて蝙蝠傘《こうもりがさ》のような形に作った白紙の笠、こ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
顔を上げて見ましたっけ。直に、じっと足袋を刺すだて。 動いただけになお活きて、
光沢を持った、きめの細な襟脚の好さなんと言っちゃねえ。……通り切れるもんじゃあね....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ころがあります。先ずその御門でございますが、屋根は両端が上方にしゃくれて、大そう
光沢のある、大型の立派な瓦で葺いてあります。門柱その他はすべて丹塗り、別に扉はな....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
エナメルを塗り立てて、渋味、雅味、垢、古色、仙骨をアルコオルで洗い清め、常に鋭く
光沢を保たしめねばならない。断髪の女性にして二三日風邪で寝込むとその襟足の毛が二....