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光波
「光波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
光波の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
洗われない物もなく、水の音は空気に激震を起して崖に反響し、森を揺すっている、その
光波の振動が烈しく眼を掠《かす》めるので、あまり見惚《みと》れると、眩暈《めまい....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
x=A cos 2πnt は一種の振動をあらわしたり、λ=597μμ とあると
光波の長さで光の色をあらわすのだそうで、まことに不可思議の至のように思われますが....
「とんびと油揚」より 著者:寺田寅彦
態の異同を判断することが必要であると思われる。しかるに〇・五ミクロンはもはや黄色
光波の波長と同程度で、網膜の細胞構造の微細度いかんを問わずともはなはだ困難である....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
かめられないとは保証し難いように思われる。音や光でさえも、音波の形が音色を与え、
光波の波長の大小が色彩を与える事を考えると、今より百年後の生理学の立場から見てあ....
「結婚問題に就て考慮する迄」より 著者:宮本百合子
のすき間からは、じっと動かない灯と絶えず揺れ動く暖炉の焔かげとが写り、時に、その
光波の真中を、若い女性らしい素早い、しなやかな人かげが黒く横切った。 ○子供は、....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
波とは云ってもそれは今のラジオのような波長の長い電波ではなくて、ずっと波長の短い
光波を使った烽火の一種であるからそれだけならばあえて珍しくない、と云えば云われる....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
がもしあれば、それは決して呑気《のんき》なテカテカ日向の明るさではなくて、非常に
光波の密度の高い、その透明さの底に、或る愁をたたえた美しさのものです。非常に質の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
弛緩させます。収縮させ、弛緩させます。 太陽は、花のその息づきに、いつか自身の
光波を合わせて息づいている自分に心づいて更に更に愕きました。 太陽は朝ごとに甦....
「塵埃と光」より 著者:寺田寅彦
のようなものが、いわゆる宇宙塵として浮游している。 このような塵に太陽から来る
光波が当れば、波のエネルギーの一部は直線的の進行を遮られて、横の方に散らされる。....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
る。また重クローム酸ゼラチン法を用いて著しい結果を得た。そうして透明な棒の生ずる
光波位相の反転に気付いた。この考えは後に発展して階段格子(〔e'chelon g....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
ない」 月だけではなかった。塔屋の壁も扉もアンテナの鉄塔も、もやもやした黄色い
光波のようなものに包まれていた。 心臓にきたはげしいショックで久美子はよろめい....
「日記」より 著者:宮本百合子
囲りに、大きな大きな光輪が出来て居た。鋭く光った月の周囲幾百尺かの間、淡い憂鬱な
光波が大らかに拡り、むらむらと軟かに力の籠った紫灰色の縁飾りで、暗い、果のない空....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
の、木曾の檜の板目とはまるで違う。考えてみると、色彩が触覚なのは当りまえである。
光波の震動が網膜を刺戟するのは純粋に運動の原理によるのであろう。絵画に於けるトオ....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
り、紫外線とは紫色の外部に位するという意味であります。 光線は申すまでもなく、
光波と称する一種の波でありますが、スペクトルの赤色の方から紫色に向かって漸次その....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
る。) 英国東岸望(英国の東岸にて仏の海を望む) 館対仏南海、望中夕照収、星
光波際見、点点去来舟。 (やかたは仏の南海に向かって建ち、一望するうちに夕映えも....