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光焔
「光焔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
光焔の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「錯覚自我説」より 著者:辻潤
古谷氏の如き偉大なる形而上的ドン・キホーテが現出して、形而上的欲望のために万丈の
光焔を吐くことは実に僕のひそかに愉快とするところである。 形而上的思索の如きは....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
名ばかりを出迎えた。 後篇 太陽はいつの間にか高く昇って、その烈々たる
光焔の中に大地を四十五度以上の角度から引き包んでいた。その眼の眩《くら》むような....
「戦場」より 著者:夢野久作
。今一度、勢よく軍刀の※を背後に押しやって咳一咳した。振返ってみるとヴェルダンの
光焔が、グングンと大空に這い昇って、星の光りを奪いつつ湧き閃めいている。 その....
「オンチ」より 著者:夢野久作
れ出すドロドロの鉄の火の滝。ベセマー炉から中空に吹上げる火の粉と、高熱|瓦斯の大
光焔。入れ代り立代り開く大汽鑵の焚口。移動する白熱の大鉄塊。大|坩堝の光明等々々....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
サア事だ。林水産狂技師の得意の話題に触れたのだ。油紙に火が附いた以上の雄弁の大
光焔がどうして燃上らずにおられよう。八代大将の松葉も、湊屋仁三郎の短命術も太陽の....
「落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
てゆきました。そして瞬間、万物が息をひそめた気配のなかに、天と地が激突したような
光焔と音響とが起り、あとはしんしんと、闇黒の底に沈んだ感じでした。 立川の家か....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、北方不空成就如来、西方無量寿仏、十万世界一切の諸仏、各々本尊を貌《うつ》して、
光焔を発し、一切罪を焚焼して、幼君の息災を垂れ給え」
それは、人間の声でなく、....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
」とその後しばしば私に話したが、私にも実はマダ謎である。 沼南が議政壇に最後の
光焔を放ったのはシーメンス事件を弾劾した大演説であった。沼南の直截痛烈な長広舌は....
「三国志」より 著者:吉川英治
むばかりであったし、広陵の河沿いから大小の湖には、無数の艨艟が燈火を焚いて、その
光焔は満天の星を晦うするばかりだったが、江南呉の沿岸はどこを眺めても、漆のような....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
った。けれど、彼が生をうけた黒天黒地の無明の世界にも、トロトロとして巨大な一輪の
光焔だけは観えていた。 なんといっても、みかどもまだ御壮年だし、ひとしく、人間....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なるのが早かった。 そのころ羅生門方面のたたかいも惨烈をきわめていた。まっかな
光焔と黒けむりのうちに、昨日からでは千をこえる敵味方の屍が方々にすてられたままで....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ら太陽が滝の薄衣を透して、うしろの巨大な岩壁へ、照明を局射しているように、水沫の
光焔を描いているのだった。いや、さらに二条三条の小さい虹が、滝を斜めに、まつわっ....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
腕をくんだまま……。 なんとすばらしい火の美だろう、恐い魔術だろう、瞬間の
光焔の中には見上げたものの魂がみんな燃えてしまった。 ことに彼等は、かつて見な....