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「光熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

光熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
った。朝晩は東京の四月頃の陽気であったが、昼になると、急に真夏のような強い太陽の光熱が目や皮膚に沁通《しみとお》って仄《ほの》かな草いきれが、鼻に通うのであった....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
焔の中に大地を四十五度以上の角度から引き包んでいた。その眼の眩《くら》むような大光熱は、山々の青葉を渡る朝風をピッタリと窒息させ、田の中に浮く数万の蛙《かわず》....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ところではこの後者の方は事実と合わない。すなわち、幾十億年の昔から今日まで太陽の光熱はほとんどいつも同じ程度に豊富な恩恵を地球に授けてきたに相違ないと説くのであ....
縮図」より 著者:徳田秋声
けた畑の小逕や建物のまわりを歩いていた。軽い朝風の膚ざわりは爽快だったが、太陽の光熱は強く、高原の夏らしい感じだった。そうしているうちに加世子も女中と一緒に、タ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
風がなければ琅※の如く凝って居る。 日は段々高く上り、次第に熱して来る。一切の光熱線が悉く此径三尺の液体天地に投射せらるゝかと思われる。冷たく井を出た水も、日....
化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
学者に事実であった事がらが今では事実でなくなった例はいくらもある。たとえば電気や光熱や物質に関するわれわれの考えでも昔と今とはまるで変わったと言ってもよい。しか....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
ら、進んで熱の器械的当量が数量的に設定されるまで、それからまた同じように電気も、光熱の輻射も化合の熱も、電子や陽子やあらゆるものの勢力が同じ一つの単位で測られる....
プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」より 著者:宮本百合子
。日本では婦人労働者がその八割六分を占めている繊維工業者らは、実物供与、寄宿舎、光熱、被服、賄等を会社の手に独占して更にそこから儲けている。而も一九二五年、六百....
アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
ったのである。ところが近代になって電子などというものが発見され、あらゆる電磁気や光熱の現象はこの不思議な物の作用に帰納されるようになった。そしてこの物が特別な条....
塵埃と光」より 著者:寺田寅彦
周囲に生じたりした。近頃の研究によると火山の微塵は、明らかに広区域にわたる太陽の光熱の供給を減じ、気温の降下を惹き起すという事である。これに聯関して饑饉と噴火の....
歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
れなくなって露と結ぶ。地面は昼間温かい太陽に向って九千三百万マイルの彼方から来る光熱を浴びているが、夜になると冷たい死灰のような宇宙の果に向き変ってしまう。する....
地上」より 著者:島田清次郎
きの廻廊に出て彼は座敷に導かれた。一もと深く庭園の地に根を下した松の樹は、太陽の光熱を慕うように屋根の上に伸びあがっていた。部屋は八畳だった。次の六畳も(そこは....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
偉大なる恒星に会して、ここに相衝突する時、死せる太陽は、再び息を回して、爛々たる光熱を吐くに至る、されど君よ、死せる太陽が、めぐりめぐりて、他の星体に相会する年....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
ただその長茂を助くるのみにして、その生々の根本を資《と》るところは、空気と太陽の光熱と土壌|津液《しんえき》とにあり。空気、乾湿の度を失い、太陽の光熱、物にさえ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ろう。 瀬戸内を、世界の公園にするとか、モナコをどの島にするとか、一しきりの観光熱も、いっこう庶民の話題には、のぼっていない。代りに、売店はよく売れている。ぼ....