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光線
「光線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
光線の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
た窓には踊り子が一人現れ、冷淡に目の下の往来を眺める。この姿は勿論《もちろん》逆
光線のために顔などははっきりとわからない。が、いつか少年に似た、可憐《かれん》な....
「母」より 著者:芥川竜之介
ている。その向うには三階建の赤煉瓦《あかれんが》にかすかな苔《こけ》の生えた、逆
光線の家が聳えている。薄暗いこちらの廊下《ろうか》にいると、出窓はこの家を背景に....
「影」より 著者:芥川竜之介
の内に更紗《さらさ》の窓掛けへ、おいおい当って来た薄曇りの西日が、この部屋の中の
光線に、どんよりした赤味を加え始めた。と同時に大きな蠅《はえ》が一匹、どこからこ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の性情が変化する筈もないと思いましたから、それぎり私も別段気にとめないで、『じゃ
光線のせいで顔色がよくないように見えたのだろう』と、笑って済ませてしまいました。....
「路上」より 著者:芥川竜之介
《か》いているんです。しかもレムブラントのやつなんぞは、やっぱり例のレムブラント
光線が、ぱっと一箇所に落ちているんだから、振《ふる》っているじゃありませんか。つ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
《えんさき》に佇《たたず》みました。
「この部屋はお暑うございますわね。」
逆
光線になったM子さんの姿は耳だけ真紅《しんく》に透《す》いて見えます。僕は何か義....
「或る女」より 著者:有島武郎
立ち上がって自分の後ろのシェードをおろして、おりふし横ざしに葉子に照りつける朝の
光線をさえぎった。
紺の飛白《かすり》に書生下駄《しょせいげた》をつっかけた青....
「或る女」より 著者:有島武郎
のが、部屋のすみにはまだ置いたままになっていた。あけ放した障子からかわいた暖かい
光線が畳の表三|分《ぶ》ほどまでさしこんでいる、そこに膝《ひざ》を横くずしにすわ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
一だ。赤青黄は元来白によって統一さるべき仮象であるからである。かくて私達が太陽の
光線そのものを見窮めようとする時、分解された諸色をいかに研究しても、それから
光線....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
曇った秋の午後のアプスは寒く淋しく暗み亘っていた。ステインド・グラスから漏れる
光線は、いくつかの細長い窓を暗く彩って、それがクララの髪の毛に来てしめやかに戯れ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。すなわち、この通路の長さの方向はちょうど天の極に向かう。しかも極は、大気による
光線の屈折のためにわずかばかり実際よりも地平線に対して浮上って見えるから、なおさ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
たし、最終戦争を可能ならしめる。 最終戦争に於ける決戦兵器は航空機でなく、殺人
光線や殺人電波等ではなかろうか。 答 小銃や大砲は直接敵を殺傷する兵器ではない....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
から引越して来た。その人々は大人も子供も大人になり掛かった子供も、皆空気と温度と
光線とに酔って居る人達で、叫んだり歌を謡ったり笑ったりして居る。 その中でこの....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
ニスの景の時には月夜の有様を見せて青い光を浴せ、ヴェスビアス火山噴火の絵には赤い
光線に変るといった具合です。今から考えれば実に単純なつまらないものですが、その時....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
彼の肖像画はどこも完全に描いてあるものの、口髭だけはなぜかぼんやりしていた。僕は
光線の加減かと思い、この一枚のコンテ画をいろいろの位置から眺めるようにした。 「....